2012 Fiscal Year Annual Research Report
第三世代の光触媒設計による高活性光触媒の開発:結晶形態制御金属酸化物微粒子
Project/Area Number |
22245033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80176924)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酸化チタン / アナタース / 十面体形状 / アスペクト比 / 光触媒活性 |
Research Abstract |
光触媒活性を決定づける励起電子のトラップと電子─正孔の再結合を支配するのは欠陥準位であり,大部分は表面に存在する.結晶粒子の露出格子面を規定することは,この欠陥準位を質的,量的に制御することである.本研究では,まずアナタース型酸化チタンについて,8つの台形の(101)面と2つの正方形の(001)面をもつ十面体型粒子を気相反応により効率よく合成する手法を開発し,その構造精密制御を行った.具体的には反応条件として原料である塩化チタンと酸素の流量,混合比,予熱・反応温度および内部減圧度などを調整して,十面体形状アナタース型酸化チタンの収量が最大となる条件を決定した.さらに,回収・後処理条件を最適化して凝集して二次粒子となることのない単分散ナノ粒子を得ることに成功した.得られた十面体形状アナタース型酸化チタンは期待どおり高い活性をもち,市販酸化チタンを大きく上回る活性をしめした.この原因を探るため,さまざまな物性(比表面積,粒子径,結晶子サイズ,結晶格子欠陥量など)を測定し,活性との相関を解析したが,いずれも決定的な因子ではなかった.そこで,粉末X線回折測定により得られる{001}および{101}面に垂直方向の結晶子の広がり(深さ)の比であるアスペクト比をとると,今回用いた気相合成反応系ではほぼ一定の範囲のアスペクト比をもつ粒子が得られ,その値が粒子質量あたりの表面積の最小値に相当する値にちかいことが明らかになった.すなわち,本合成手法では一定量の反応中間体が2種類の安定な結晶格子面を露出しつつ,その表面積を最小にするように成長すると考えられる.また,さまざまな反応系における光触媒活性もアスペクト比がある一定の値をとるときに最大となり,その対応するアスペクト比は,前述の質量あたりの表面積が最小となる値にちかいものであった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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