2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代蓄電デバイス開発にむけての基礎研究―全固体蓄電デバイスの開発
Project/Area Number |
22245035
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅野 了次 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90135426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 雅章 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (30531165)
武田 保雄 三重大学, 理工学研究科, 教授 (60093051)
米村 雅雄 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任准教授 (60400602)
田村 和久 独立行政法人日本原子力開発機構, 量子ビーム応用開発部門, 研究員 (10360405)
園山 範之 名古屋工業大学, 工学系研, 准教授 (50272696)
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Keywords | 固体イオニクス / 全固体電池 / 薄膜電池 / 電気化学界面 / 固体電解質 / 表面散乱法 / 放射光・中性子 |
Research Abstract |
優れた出力特性と安定性を実現する全固体蓄電デバイスの実現の鍵は,固体電極と固体電解質の界面でのイオン拡散現象解明にある.本研究では,理想的な界面を構築可能なエピタキシャル薄膜を選択し,薄膜積層による次世代蓄電デバイス開発を目指す.開発スキームとして,エピタキシャル薄膜積層手法の開拓,積層膜界面の反応解析による高機能界面発現条件の特定,実電池として積層デバイスの評価を進める.本年度に実施した課題とその成果は以下のとおりである.(a)界面制御・反応解析に適した理想界面の構築:優れたインターカレーション特性・構造安定性を示す正極材料Li_2RuO_3をパルスレーザー堆積法で単結晶基板上にエピタキシャル成長させた.蒸着条件を最適化し,単一配向かつ表面粗さが1nm程度の極めて平滑な薄膜モデル電極を得た.(b)理想界面を用いた固液界面・固固界面での反応機構解明:作製したLi_2RuO_3モデル電極が液体電解質1MLiPF_6-EC/DEC(3:7)または固体電解質Li_3PO_4と形成する界面構造の電池反応中における挙動をin-situ X線表面回折で調べた.Li_2RuO_3表面構造変化は固液界面と固固界面で異なり,固液界面では表面構造が電池反応中に乱れ,徐々に電極内部構造が破壊されていくことる変化をすることを明らかにした,一方で,固固界面においてはLi_2RuO_3表面がLi脱挿入で安定であった.さらにXAFS測定から固液界面と固固界面では電子状態の違いを観測した.モデル電極を用いることでこれまでブラックボックスであった電極/電解質界面構造変化の直接観測に成功し,電極/電解質界面構造により電池反応の可逆性が変化することを実証することに成功した.来年度,界面制御したモデル電極を作製し,界面でのイオン拡散,安定性,空間電荷層形成に関連する反応因子の特定を進める.
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Research Products
(36 results)