2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22245037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 亮 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80256495)
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Keywords | 高分子ゲル / バイオミメティックス / 振動反応 / 機能性材料 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本年度では、バルクゲルとしての蠕動運動による物質輸送特性の解析・評価を行った。従来の知見を元にNIPAAm、Ru(bpy)3錯体モノマー、N,N'-methylenebisacrylamide(MBAAm)、2,2'-azobisisobutyronitrile(AIBN)、2-aclylamido-2-methylpropanesulfonicacid(AMPS)をmethanol/H_2O溶媒に溶解させ、スペーサを介したPETフィルムの鋳型中でこのプレゲル溶液を熱重合し、多孔質性を制御した自励振動ゲルpoly(NIPAAm=co-Ru(bpy)3-co-AMPS)gelシートを作製した。シート状自励振動ゲルをBZ反応の基質溶液(HNO_3、NaBrO_3、CH_2(COOH)_2)に浸漬させ、その上に円柱状poly(acrylamide)(PAAm)ゲルを添加した。ゲル内部を化学反応波が伝播し、円柱状PAAmゲルが輸送されていく様子を録画し得られた動画を時空間画像解析することで、ゲルの振幅、化学反応波の伝播速度、周期を算出した。 輸送現象のメカニズム解明と輸送システムの設計指針を得るため、トライボロジーにおける接触理論を基盤とした輸送現象の理論的なモデルの構築を試みた。また自励振動ゲルの表面形状と輸送能の関係を評価するために、微細なパターン加工を施したPDMSを鋳型として用い、パターン形状のある自励振動ゲル表面を作製した。懸濁重合法によって作製したPAAmゲル微粒子を表画上に添加して輸送挙動を観察した。輸送粒子の親疎水性、荷電状態、物性、粒径などを変化させて詳細な検討を行うとともに、ゲルのゼータ電位測定、接触角測定、転がり傾斜角測定なども行い、最も効果的に物質輸送機能を発現できる条件を明らかにした。
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Research Products
(25 results)