2011 Fiscal Year Annual Research Report
ABC3成分共重合体のジャイロイド構造とナノポーラス/ハイブリッド物質の設計
Project/Area Number |
22245038
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松下 裕秀 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60157302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 敦志 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00236241)
川口 大輔 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (70362267)
野呂 篤史 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (90377896)
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Keywords | 高分子系複合材料 / ブロック共重合体 / ジャイロイド構造 / ナノポーラス / ハイブリッド |
Research Abstract |
イソプレン-スチレン-2-ビニルピリジン(ISP)3元線状共重合体にポリ4-ヒドロキシスチレン(H)を溶液中でブレンドする手法を用いて、ナノポーラス構造の構築を目指した。3元共重合体のP成分とH成分は、水素結合により相互作用(引力)を自発的に生じるため、このブレンドは4成分から3相構造を呈する。分子量124,000のうちP鎖が7,000と短いISP共重合体と分子量14,000のH鎖を混合したところ、幅広い組成範囲でジャイロイド型の相分離構造を呈した。しかし、構造形成過程では、コンプレックスを作って溶液中で不均一になり易く、この履歴が溶媒除去後のバルク間の構造に大きな影響を与えるために、規則性の高い構造を作り難いことも判明した。 また、前年度の成果を基に、ポリ4-ビニルピリジンを含む分子量73,000のうちP鎖が8,500と短い共重合体2元ブロック共重合体に、塩化鉄などの金属ハロゲン化物をピリジン溶媒中で混合して溶液を作り、溶媒キャストしてバルクフィルムを得た。このフィルムを電子顕微鏡観察するために、エポキシ樹脂に包埋しミクロトームで超薄切片とし、水中で放置してからTEM観察した。水処理をしない試料については、規則性の高い柱状構造を示したが、水処理を施したものでは、水溶性の塩化鉄が水中で溶けだし、明らかに柱状に穴が開いた規則的なナノポーラスの相分離構造が観察された。 この上記二つの研究成果を結び付けることで、規則性の高い3次元ナノポーラスネットワーク構造が構築できるめどが立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果で述べたように、3成分共重合体/ホモポリマーブレンドでは、規則性は低いがジャイロイド型のネットワーク構造が広い組成範囲で得られている。また、2成分共重合体塩化鉄ハイブリッドでは、周期性の高いナノポーラス構造が得られている。これらの成果を組み合わせることにより、3次元ナノポーラス構造のめどが立ったと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
前項で述べた二つの成果(1)3成分共重合体/ホモポリマーブレンドから、ジャイロイド型のネットワーク構造が広い組成範囲で得られる、(2)2成分共重合体/塩化鉄ハイブリッドでは、周期性の高いナノポーラス構造が得られるを突き合わせることより、3成分共重合体/金属塩化物ハイブリッドに関する実験を行い、ジャイロイド型の3次元ネットワーク型ナノポーラス構造の構築を目指す。
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Research Products
(57 results)