2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246011
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 拓男 独立行政法人理化学研究所, 田中メタマテリアル研究室, 准主任研究員 (40283733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 若奈 独立行政法人理化学研究所, 田中メタマテリアル研究室, 基礎科学特別研究員 (10455339)
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Keywords | 紫外プラズモニックメタマテリアル / プラズモン / 金属ナノ構造体 / 微細加工 / 紫外線 / 可視光 / 共振器 |
Research Abstract |
本研究は、紫外領域におけるプラズモニック・メタマテリアルの実現と開発を目的としている。波長の短い紫外光領域においても人工的な磁性を付加した新しい人工光機能物質を実現すれば、電場との相互作用しか示さなかった物質に、磁場との相互作用という新しい自由度を付加でき、最終的には、屈折率をはじめとする物質の光学的特性の制御性の大幅な拡張につながる。そのためには紫外領域の磁性と相互作用するように、形と大きさを適切に設計した金属ナノ構造体の作製が必須である。本年度は紫外メタマテリアルのプロトタイプの実現とその評価の確率を課題として研究を行った。実際に紫外域における素子の駆動を確認するためには単純にナノ構造体のサイズを縮小するだけではなく、構造体が配列した構造を少なくともミリオーダーで集積しなければ実用化できない。そこで、ナノ構造体のサイズと形状をナノオーダーで制御しながら、大面積加工ができるナノコーティングリソグラフィー法という微細加工技術を用いて、形状とサイズを適切に設計した金属ナノ構造体を作製した。ナノ構造体を構成する材料として紫外域でプラズモン共鳴を発現するアルミニウムとビスマスを用いた。各金属は表面酸化の影響が避けられないため、表面保護層としてフッ化マグネシウムを塗布した。試作したナノ構造体の透過スペクトルを測定し、紫外域におけるスペクトルの観察と解析を行った。同時に、計算面からの評価を行うために、結合波解析法を用いて作製した構造体のシミュレーションを実施し、実験結果との比較を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
紫外域駆動を目的としたアルミニウムとビスマスのナノ構造体の作製には成功した。 紫外領域における駆動を確認するため、波長レンジを変えながら精密かつ網羅的にスペクトルを測定・解析できる装置を開発中である。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したアルミニウムまたはビスマスのナノ構造体の紫外可視域における光学特性の評価においては、波長範囲を変化させながら精密かつ網羅的にスペクトルを測定しなければならない。そこで保有している大型測定試料室に、試料走査ステージと、入射角や偏光方向への依存性を測定するための、光学素子を導入した新しい測定装置を最優先で開発する。
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