2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジョセフソン効果と量子ホール効果を基準とした熱力学温度測定技術の開発
Project/Area Number |
22246013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
浦野 千春 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (30356589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 晋久 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 室長 (30371032)
丸山 道隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30415947)
大江 武彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30443170)
堂前 篤志 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (20357552)
福山 康弘 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (00357899)
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Keywords | 統計力学 / 標準 / 計測工学 / 超精密計測 / ジョセフソン効果 / 量子ホール効果 / 基礎物理定数 / ボルツマン定数 |
Research Abstract |
本研究はナイキストの定理に基づいた世界最高レベルの精度を持つ熱力学温度計の開発を目的とする。本研究実現のためには抵抗温度計の雑音電圧の絶対値を精密に測定するためにジョセフソン任意波形発生器、抵抗温度計、交流抵抗測定システム、温度場および温度プローブを開発する必要がある。ジョセフソン任意波形発生器を同じ条件で長期間連続運転するために専用の機械式冷凍機の開発に取り組んだ。20本の同軸ケーブルによる熱流入のため当初冷凍機が目標温度に到達しなかった。デバッグにほぼ1年費やしたが最終的にはほぼ希望どおりの性能が得られるようになった。年度の後半から並行して液体ヘリウム用のインサートの開発も開始した。抵抗温度計用素子に関しては、目標温度周辺で温度計数が極地を持つ温度計素子を企業と共同で開発した。このような素子を短期間に開発することが可能になった理由は量子化ホール抵抗測定装置を基準とした抵抗評価システムによって、市販の抵抗測定装置の100倍程度の精度で抵抗値を評価することができたためである。今年度開発した交流抵抗測定システムは現時点では熱流入が大きく量子ホール素子の温度が目標温度に到達しないことが問題となっている。温度場、温度プローブの開発も行った。当初室温付近の温度場のみを計画していたが、年度の半ばから水の三重点における測定の準備も開始した。こちらは平成23年度前半に完成する見込みである。データ収集システムに関しては測定データの分解能を最適化したシステムを開発した。データ収集速度(帯域のことではない)が当初目標の1/6程度であり、実用的なシステムを構築するにはデータ収集効率を大幅に改善する必要がある。
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Research Products
(12 results)