2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ構造形成によるソフトメカニズムの機能性表面修飾
Project/Area Number |
22246019
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴森 康一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00333451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇元 修一 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 准教授 (40452560)
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Keywords | 微細構 / ソフトメカニズム / 機能性ゴム / 光回折 / 吸着シート / ラバーデバイス |
Research Abstract |
マイクロラバー構造の成形に関する研究項目,マイクロ構造形成による機能性修飾に関する研究項目,機能性表面修飾を施されたソフトメカニズムの応用に関する研究項目,とも順調に進展した. マイクロラバー構造の成形に関する研究実績: (1)ノズル先端と液状ゴム本体の間に数100~1000V程度のパルス状の電圧をかけることによって,液状ゴムがノズルから微細吐出させることに成功した.安定した吐出条件の明確化にはまだ至っていない.今後検討を続ける. (2)ロボットを用いることにより,任意の立体形状物体表面にマイクロ構造物を成形するシステムを実現した. (3)真空中で液状ゴムを攪拌,金型に注入する装置を開発した.これにより,特に数μm程度の微細構造成形における気泡混入を大幅に低減することができた. マイクロ構造形成による機能性修飾に関する研究実績: (1)非対称特性を持つマイクロ吸盤集積シートやマイクロ斜毛構造による非対称摩擦特性を持つゴムシートの設計,成形,実証に成功した.壁登りロボットの脚裏へ応用し,壁登りに成功した. (2)ソフトアクチュエータに可変型光回折格子を作りこみ,分布型センサとしての応用可能性を示した. (3)機能性修飾したゴム試験片をひっぱることにより,接触角が変化することを実験で示した. 機能性表面修飾を施されたソフトメカニズムの応用に関する研究実績: (1)マイクロ吸盤を用いて歯の表面に加速度センサを搭載して咬合状態を検査する手法への応用研究を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基盤技術に関しては,精密NC加工,光造形加工に関して,当初計画した通りの成果をほぼ実現した.静電引き込みについてはまだ,必ずしも汎用的に結果をまとめるまでに達していない.表面機能修飾に関しては,計画に沿った成果が生れている.また,当初計画にはなかったが,マイクロ吸盤を集積した表面の研究が進み,歯科検査への応用研究も開始した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究はほぼ計画通りに順調に進んでおり,研究を遂行する上で特に大きな問題展はない. 引き続き,当初の計画通り,基本的な研究をさらに進めるが,これに加えて,今後は特に将来の応用を見据えて研究を展開する.可変型回折格子に関しては,触覚センサへの応用可能性を基礎的な実験を通じて検討したい.親/撥水ラバーに関しては,微小物をハンドリングするマイクロロボットハンド表面の表面修飾に展開したい、マイクロ吸盤に関しては,歯科検査への具体的な応用のアイディアが生れており,それを追求したい.
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