2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘビ型ロボットの学理の確立と狭隘地点検機能を有する実用機の開発
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22246032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 卓越教授 (70108215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 浩也 東京工業大学, グローバルエッジ研究院, テニュア・トラック助教 (20550536)
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Keywords | ヘビ型ロボット / 水陸両用ロボット / 環境適応 / 索状能動体 / 配管検査 / レスキューロボット / 多関節機構 / 蛇行推進 |
Research Abstract |
ヘビ型ロボットに関する設計論と制御理論の体系化と,実用型ヘビ型ロボットの開発を目的とした研究に関し,以下の成果を得た. 1.昨年度開発したトルク測定機能を有するコンパクトなヘビ型ロボットの研究を進め,制御系・操縦系を含むシステム全体を完成した.具体的には,新たにコンパクトで視野の広いカメラ駆動ユニットの設計開発を行ったほか,計測トルクを利用したコンプライアンス制御と対地適応制御を導入した.これにより,人間や他の機器による探索が困難な狭隆で凹凸のある環境での遠隔操縦を実現した. 2.上記ヘビ型ロボットをベースとして,さらに改良を加えた第2次試作機を開発した,同一部品で構成されるというヘビ型ロボットの特徴を利用して,複雑な一体部品を真空成形法で量産することで,低コストで軽量・コンパクトなロボットを実現した,これにより,世界的に見ても優れた移動能力を持つ,実用に極めて近い探査用ヘビ型ロボットの設計法を明らかにした. 3.柔軟なスポンジからなる体幹,体幹を屈曲させるワイヤー機構,及び多数の能動車輪を有する独創的なレスキュー用ヘビ型ロボットの第3次試作機を開発した.これにより柔軟かつ軽量で耐衝撃性に優れたロボットを実現し,不整地走破能力,カメラによる遠隔操縦性を確認した. 4.内径2インチの配管を移動できる実用的な連結球形車輪型管内移動ロボットを開発した. 5.カム機構によってモータ1つで体表面を微小回転させて駆動力を発生する移動機構を提案し,適切なカム形状の解析と試作機の開発を行い,移動機能が実現できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では3年目に実用型ロボットの開発を目指していたが,すでに探索ロボットとしてほぼ実用できる試作機が実現できている.提案した能動車輪,能動関節,トルクセンサに基づく制御を取り入れたヘビ型ロボットはかなり成功しており,今後のヘビ型探索ロボットの1つの典型となり得ると考えられる.上記以外にも,配管検査用ロボットや柔軟体感型や皮膜回転型のヘビ型ロボットについても試作機が実現し,知見を積み重ねている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,用途・機能に応じて設計・制御を最適化した複数形式の実用ロボットの開発を行いながら,ヘビ型ロボットの設計論と制御理論の体系化を行う.特に本年度は,これまでの探索用ヘビ型ロボットの設計・制御の知見をまとめ,新たに災害現場の瓦礫や階段,そして水上も移動できる実用型ロボットを開発し,その設計理論を確立する.また福島第一原発の事故を受け,遠隔操縦で原子炉の調査と修復が可能な30m級の長大な多関節ロボットアームの開発に新たに取り組む.これはこれまで本研究で蓄積してきた成果を結集したロボットであり,試作を通してその有効性を明確化していく予定である.
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Research Products
(7 results)