2010 Fiscal Year Annual Research Report
高性能低環境負荷CF3I絶縁の実用可能性に関する基礎研究
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22246035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日高 邦彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90181099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20313009)
松岡 成居 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10114646)
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Keywords | 電気機器 / ガス絶縁 / CF3Iガス / 絶縁性能 / 絶縁破壊現象 / SF6ガス / V-t特性 / 沿面放電 |
Research Abstract |
平成22年度はCF3Iガスを実用機器に適用するために必要となる、基本的な絶縁性能の把握、絶縁破壊現象の解明、絶縁性能の予測計算手法の開発、について研究を行った。 準平等電界においてはCF3Iガス中の正極性急峻方形波印加時の最低スパークオーバ電圧はギャップ長10mmで112kVと高い値を示した。負極性V-t特性は正極性V-t特性より高いスパークオーバ電圧を示し、50Hz交流電圧印加時のスパークオーバ電圧は方形波印加時の最低スパークオーバ電圧より5%低い値を示した。 針-平板電極のように電界不平等性が強い場合、絶縁性能が低下するが、特にCF3Iガスについては低下が著しい。最低スパークオーバ電圧は、負極性の方が正極性の約2倍の値となった。 CF3IガスとSF6ガスの絶縁性能を比較すると、準平等電界においてCF3IガスはSF6ガスより高い絶縁性能をもち、一方、不平等電界ではその関係は逆転した。 沿面放電に対してはCF3IガスはSF6ガスと同等以上の高い絶縁性能を持っている。しかし、背後電極がない場合、放電によって発生する固体ヨウ素が誘電体スペーサ表面に付着し絶縁性能低下の原因となる。高速度カメラを用いて沿面放電の様子の撮影を行い、背後電極の有無や、固体ヨウ素付着による影響で放電の形状が異なることが観測された。 CF3Iガスの実効電離係数と電界計算に基づいて考察を行い、CF3IガスやSF6ガスの絶縁性能の電界分布依存性を明らかにした。また、沿面放電においては背後電極の有無が最大電界に大きく作用し、電界に敏感なCF3Iガスの沿面フラッシオーバ電圧に大きな影響を与えること、などを明らかにした。
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