2011 Fiscal Year Annual Research Report
高効率高電力密度チョッパによる可変速駆動系の省エネルギー化の研究
Project/Area Number |
22246036
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
河村 篤男 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (80186139)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 康孝 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (60313475)
藤本 博志 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (20313033)
下野 誠通 横浜国立大学, 工学研究院, 助教 (90513292)
|
Keywords | SAZZチョッパ / パワーエレクトロニクス / 電気自動車 / 高電力密度 |
Research Abstract |
1.試作機を用いた各要素技術の効率特性(省エネルギー効果)実測実験: 各要素装置(チョッパ、モータ、インバータ)の個別の効率を定常状態で測定した。測定結果をもとにシステム全体効率の最適化を目指したチョッパ出力電圧プロファイル設計を行った。また、インバータの制御法として、PAM制御とPWM制御を組み合わせた最小THDPAM制御手法を提案し、性能解析を行った。 2.変換効率の高精度測定手法の開発:昨年度に試作した熱式効率測定装置において温度貯蔵タンクの熱断熱を改良した。また、熱量測定法における水の流量、温度差、測定時間の関係を明確化し、熱量測定精度を大幅に改善した。さらに、測定時間短縮のために測定波形最終値推定手法を提案し、通常の測定時間の約3分の1で誤差5%以内の推定を実現した。 3.組み合わせ試験(JC08 モード走行パターン)に基づく総合的な省エネルギー効果の実測: 加減速が頻繁にあるような動作モードとしてJC08 モードを選択し、その動作モードにおける総合効率の評価を実車を用いたシャシーダイナモ試験により行った。最初に走行抵抗を測定した。次に、実車での実測の結果、車載チャッパを軽量化することにより、従来手法と比べインホイール型電気自動車での一充電走行距離が約2%以上延伸することを実証した。ただし、チョッパの重量を減少させないと、省エネルギー効果が少ないことも明らかになった。 4.新型小型軽量チョッパの制作:上記の結果、これまでのチョッパのトポロジーを改革した新チョッパの制作を開始した。そのための費用を繰り越しして次年度の高電力密度チョッパでの実験を計画した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.試作機を用いた各要素技術の効率特性(省エネルギー効果)実測実験においては、システム全体効率の最適化を目指したチョッパ出力電圧プロファイル設計を行い、効率の改善を確認した。また、インバータの制御法として、本年度の計画通りPAM制御とPWM制御を組み合わせた最小THDPAM制御手法を考案している。 2.変換効率の高精度測定手法の開発においては本年度の計画である温度貯蔵タンクの熱断熱の改良および、測定誤差を数%まで改良するという目的を達成できた。さらに本年度の計画を超えた測定時間短縮方法の提案にまで至った。 3.組み合わせ試験(JC08 モード走行パターン)に基づく総合的な省エネルギー効果の実測においては、本年度の計画通り実車を用いたシャシーダイナモ試験により実測試験を実施した。 以上より、1.から3.の研究において本年度の計画通り研究を実施し、想定通りの結果を得ており「(2)おおむね順調に進展している。」と評価する。ただし、実車でのJC08モード走行試験の結果、より高電力密度のチョッパの必要性が明らかになったので、費用を繰り越して次年度までかけて、新チョッパの制作を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度得た知見をもとに以下3点の研究が必要である。 1.本年度に提案した最小THDPAMを実装することにより、より一層の総合効率改善が見込まれる。そこで、実車への実装に向け[1]最小TDPAMによる詳細な損失評価、[2]JC08モードに対応可能化を確認するための速応性の評価 の2点の確認を実施し、最終的には実車へ実装する予定である。 2.JC08モード走行パターンにおける総合的な省エネルギー効果の実測においては、ドライブシミュレータでの実測結果と隔たりが生じた。研究加速化のためには、この隔たり改善が最重要課題である。そのため、隔たりが生じた要因として[1]チョッパを用いない場合における弱め時速制御の有無、[2]バッテリー電圧変動の有無 が考えられる。そのため、この2点をドライブシミュレータに実装し、実車総合効率試験とドライブシミュレータ試験との差異をなくす予定である。 3.組み合わせ試験(JC08 モード走行パターン)に基づく総合的な省エネルギー効果の実測において、チョッパの小型化が重要な研究課題となった。そこで、小型高電力で高効率な新トポロジーに基づくチョッパの試作を予定する。そのために、ポスドクを雇用しその任に当たることとする。
|
Research Products
(18 results)