2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斗内 政吉 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センタ, 教授 (40207593)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 強相関電子材料 / テラヘルツ |
Research Abstract |
本年度は、高強度のTHzパルスをYBCO薄膜およびNbN薄膜に照射することにより、光励起ではなく電界効果による超伝導電子対破壊が起こっていることを実験的に確認した。パルス波面傾斜法により発生させた、高強度THz波を用いたTHz時間領域分光法により、LSAT基板上に成膜したYBCO薄膜およびMgO基板上のNbN薄膜を測定した。THzパルスのピークにおける電界強度E0~30kV/cm、中心周波数は0.35THzである。転移温度Tcより高い130Kでは電界強度依存性は見られないが、Tc以下の34Kでは明らかに電界効果による透過率の変化が見られた。この透過波形から複素伝導度を計算し、2流体モデルを用いて超伝導電子と常伝導電子の比率を計算した結果、電界が増加するに従い超伝導電子の比率が減少しており、電界効果による電子対破壊が起こっていることを明らかにした。 また、本年度はCE型反強磁性体であるMn系酸化物Pr0.5Sr0.5MnO3(PSMO)薄膜を作製し、まずそのテラヘルツ帯における伝導度をテラヘルツ時間領域分光法で計測した。PCMO(110)薄膜をLSAT(110)基板上にレーザーアブレーション法を用いて作成し、透過スペクトルの温度変化を計測した。このとき、さらにテラヘルツ波の偏光面が[1-10]方向に対して0度、45度、90度の方向の時のスペクトルを測定し、それぞれ比較した。その結果、偏光方向が[1-10]方向の時の光学伝導度は、通常の金属と同様Drude的なスペクトルが特に100K以下の低温領域で顕著に見られたが、90度傾けた[001]方向の時は、約4meV程度にピークのある、非Drude的な振る舞いが見られた。これは、同一薄膜内において、金属的な伝導から絶縁体的な伝導へのクロスオーバーが起こっている事を示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)