2012 Fiscal Year Annual Research Report
シャノン限界を目指した超長距離・大容量コヒーレント光伝送システムの研究
Project/Area Number |
22246046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 和朗 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50134458)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 情報通信工学 / フォトニックネットワーク |
Research Abstract |
コヒーレント光受信器は光電界の全ての情報を保持できるので,受信信号のディジタル信号処理により,送受信および伝送によって生じる信号劣化の補償が可能となる。本研究では,多値光変調信号の超長距離伝送を目的として,あらゆる多値変調方式に対応できる復調アルゴリズムの提案を行い,計算機シミュレーションおよび実験により,これらのアルゴリズムの有効性を検証した。 第一に,零次の有限インパルス応答(FIR)フィルタと判定指向型最小二乗平均(DD-LMS)アルゴリズムに基づく新たな位相推定器を提案した。本位相推定器は,位相雑音と周波数オフセットによる位相変動を分離して推定することにより,高い周波数オフセット耐力が実現できる。本手法の有効性は,計算機シミュレーションおよび実験によって確認された。 第二に,線形歪み補償のための,DD-LMSアルゴリズムに基づく新たなFIRフィルタ構成を提案した。本構成を用いることにより,低速な線形歪みを除去する線形等化器と高速な位相変動を除去する位相推定器の適応操作を分離し,それぞれを安定に動作させることが可能となる。また本手法は,全ての適応過程にDD-LMSアルゴリズムを使用しているため,あらゆる多値変調方式に容易に適用できるという特長を持つ。計算機シミュレーションおよび実験によって,位相雑音および周波数オフセットが存在しても,提案手法は安定に動作することを確認した。 第三に,ハードウェア実装に適した新たなカー効果補償器を提案した。スプリットステップを周波数領域で並列展開することにより,高シンボルレートの信号に生じたカー効果歪みを,並列処理によって除去する補償方式を提案した。計算機シミュレーションによって,本手法は分散管理光ファイバ伝送路における多値光変調信号の伝送可能距離を飛躍的に延長できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)