2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246051
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
青柳 克信 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 教授 (70087469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒内 正仁 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, ポストドクトラルフェロー (10452187)
武内 道一 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 准教授 (60284585)
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Keywords | 深紫外光 / マイクロプラズマ / AlGaN / MIPE / 深紫外発光素子 / 水浄化 / 医療応用 / 高出力 |
Research Abstract |
「研究の目的」マイクロプラズマ励起AlGaN深紫外発光素子(MIPE DUV LE、通称MIPE)を新たに提案しその原理実証研究を行った。本方法が成功すれば発光素子のスケーリング則が成立するために、極端には1m角の深紫外発光素子を作成することも可能でありそのときの発光出力は数ワット以上も容易に可能であると考えられる。この様な大出力深紫外光は従来のLEDを用いた深紫外発光素子では実現不可能であり、またスケール則が成り立つため、製作が容易で水の浄化、医療応用、植物プラント応用等、多岐にわたる応用が期待される。本研究はこれらを目指し提案した新たな素子の原理実証を目的とした。 「研究の実施」本研究において試料としてはAlGaN超格子をMOCVDでエピタキシャル成長を行い、そのための結晶成長条件を明らかにすると同時にその発光特性をフォトルミネッセンス(PL)でまず調べた。量子井戸からのPL発光のうち313nmで光るサンプルを用いた。セルの大きさは2cm角を用い、電極はプラズマ生成電極、プラズマ保持電極、電子引き出し電極で構成した。また用いガスはNeとXeの混合ガスを用いた。印加電圧は交流、パルス等種々の印加方法を用いた。プラズマ放電ガスの種類、圧力も変化させ、種々の条件での素子特性を調べた。 「研究結果」本実験により、313nmの強い深紫外光を発光させることに成功した。深紫外の発光条件は用いる試料、用いるガス種、圧力並びに印加電圧で種々に変わることがわかりその高出力を得るためにはその最適化が必要であることがわかった。波長も265nm、280nm等AlGaNの超格子を選ぶことにより任意の波長の発光を得ることができることがわかった。典型的な出力は2cm角のセルで10mWの出力が得られた。これは1m角のデスプレー相当のパネルを用いれば25Wの深紫外光を得られることを意味している。 「結論」以上の結果よりマイクロプラズマ励起AlGaN深紫外発光素子は実現可能であることが実証でき、その出力も予想以上におおきいことがわかり、今後の大出力化に向けて弾みをつけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は3年目で原理実証ができることを目指したが、2年度目でその目標を達成できた。3年度目ではその所得性を明らかにし、さらなる高出力化、実用化に向けて研究をさらに発展させる。
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Strategy for Future Research Activity |
・研究の中で高効率で光るAlGaN表面超格子が重要であることがわかってきたので、結晶成長条件を精査し成長法を改良し高効率発光AlGaN表面超格子の実現を図る。 ・大面積化が可能であることが本素子の大きな特徴であるので、2インチ基板全体を発光させる大面積深紫外MIPEの実現をこころみ、大出力化を実現する。 ・産業応用に資するために、企業との共同研究の可能性を模索する。
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Research Products
(5 results)