2011 Fiscal Year Annual Research Report
既存コンクリート構造物の長寿命化に向けた総合化技術の構築
Project/Area Number |
22246061
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二羽 淳一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩嗣 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10573660)
渡辺 健 鉄道総合技術研究所, 構造物技術研究部, 副主任研究員 (40450746)
三木 朋広 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30401540)
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Keywords | コンクリート構造物 / 長寿命化 / 維持管理 / 画像解析 / 自然電位法 / 非破壊検査 / AE法 / 鉄筋腐食 |
Research Abstract |
本研究の目的は、時間とともに劣化していく既存のコンクリート構造物を、適切に維持管理し、長期にわたり供用していくための総合的な技術を構築することにある。公共事業費の大幅な増加が望めない昨今の風潮を考えると、新設構造物に対する過度の期待は非現実的であり、このため既存構造物の長寿命化は必要で欠くことのできない対応策である。長寿命化に向けた総合化技術を構築し、提示することにより、これからのわが国の社会基盤施設の整備に貢献すべく、本研究では、既存コンクリート構造物の長寿命化に向けた総合化技術を構築することを目指している。この総合化技術は、3つの要素技術から構成される。すなわち、(1)既存コンクリート構造物を構成する材料に関する劣化診断技術、(2)劣化したコンクリート構造物の残存耐荷力の評価技術、(3)新しい材料を用いた各種の補修・補強技術の開発、である。これらの要素技術を結集し、統合して、最終的に社会基盤施設の維持管理や整備のための実用的で有用な方策を提案する。 22年度は(1)の既存コンクリート構造物を構成する材料に関する劣化診断技術について、また23年度は(2)の劣化したコンクリート構造物の残存耐荷力の評価技術について、それぞれ重点的に取り組んだ。 劣化したコンクリート構造物を模擬するために、電気的に鉄筋を腐食させた供試体や、意図的にPCストランドを切断した供試体を作成して載荷実験を行い、残存耐荷力に関する基礎的なデータを蓄積した。電食実験の結果からは、主鉄筋の断面欠損により、明らかにコンクリート部材の耐荷力は低下するが、これを解析的に予測するためには、鉄筋の断面欠損に関する情報の取得が必須であり、劣化診断技術とのコラボレーションが必要であることを確認した。意図的にPCストランドを切断した場合、コンクリート部材の耐荷力は、明らかに低下するものの、破壊に直結するようなことはなく、劣化後の補修・補強によって、耐荷力を回復できる可能性が示された。24年度では、各種の補修・補強技術を開発していきたいと考えているが、既にいくつかの手法は検討済みであり、長寿命化のための総合化技術に向けて、最終年度の研究を鋭意進めて行きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度、23年度の研究目標はそれぞれ概ね達成されており、その成果は各種の論文や学会発表等にて公表している。24年度はこれらの成果に基づいて、技術の統合化を図り、長寿命化に向けた総合化技術を構築し、提示していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である24年度では、各種の補修・補強技術を開発し、これまでの研究成果と組み合わせて、長寿命化のための総合化技術を提案する。補修・補強技術に関しては、新材料を用いたり、あるいは新たな手法を用いた補修・補強技術の検討は既に開始している。これらの手法の中のいくつかは、劣化したコンクリート構造物、あるいはプレストレストコンクリート構造物の耐荷力や変形能力を復元することが可能なものもあり、成果が期待できる。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Proposed Predictive Equation for Diagonal Compressive Capacity of Reinforced Concrete Beams2011
Author(s)
Tantipidok, P., Kobayashi, C., Matsumoto, K., Watanabe, K., Niwa, J.
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Journal Title
土木学会論文集E2
Volume: Vol.67,No.4
Pages: 535-548
Peer Reviewed
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