2010 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の生態を利用したサステイナブルな下水処理技術の開発と統合的モデル化
Project/Area Number |
22246069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
味埜 俊 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60166098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 弘泰 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90251347)
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Keywords | 有機物一時貯蔵 / 下水処理 / 活性汚泥法 / 省エネルギー / 高速シークエンシング / 微生物群集構造 / 生物学的リン除去 / 栄養塩循環 |
Research Abstract |
平成22年度は、次の検討を行う予定であった。1)様々な下水処理場の活性汚泥の有機物貯蔵能力の調査,2)FAREWEL反応の条件に関する検討,3)FAREWEL反応後の汚泥の安定性および嫌気性消化特性の評価,および、4)微生物群集構造の評価。 1) については本年度は装置の製作に手間取り実処理場の活性汚泥を用いての実験まではいたらなかった。しかし、装置は完成し、実験室汚泥を用いての稼働試験を行った。 2) では、実験室活性汚泥を用いてさまざまな有機物負荷条件を与え試験的な検討を行った。また、どのような考え方で有機物負荷条件を考えるべきか(特に反応時間をどのように考慮するか)考察した。 3) ではPHAを主たる貯蔵有機物と考え、PHAをたくさん蓄積した活性汚泥の濃縮中の安定性、および、嫌気性消化の特性を把握することを目指し、実験室活性汚泥とその嫌気性消化プロセスを運転し、評価した。活性汚泥内に蓄積されていたPHAは活性汚泥そのものの分解よりも速やかであり、ほぼ数日以内に分解する事が確認された。一方、外部から投入したPHA顆粒の分解においては活発な分解が見られるまでにより長い時間(1~2週間程度)かかった。 また4)では、さまざまな実下水処理場の活性汚泥群集を収集し、高速シークエンシング法により16SrRNAの部分塩基配列の解読を行った。汎用データベースソフトウェアの一つであるFileMaker Proを用いてシークエンスデータを整理し可視化・管理するためのソフトウェアを開発した。11処理場15系列18試料の大規模都市下水処理場試料と3つの地方都市のオキシデーションディッチから抽出した細菌DNAの構成を高速シークエンスし、約10万本(各≧200bp)得た。その組成から、各処理場の細菌群集構造の特徴を得ることができると考えられる。 また、上記に加え下水処理水中にあらわれる細菌群集の解析について、および汚泥の脱水性と細菌群集構造との関連について検討した。
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Research Products
(8 results)