2010 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート系骨組への座屈拘束筋違の活用に関する研究
Project/Area Number |
22246070
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (80205749)
吉敷 祥一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (00447525)
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Keywords | 鉄筋コンクリート構造 / 座屈拘束筋違 / パッシブ制振構造 / 制振ダンパー / アンカーボルト / コッター / ガセットプレート |
Research Abstract |
本年度は、座屈拘束筋違を組み込む鉄筋コンクリート骨組全体の構造計画と、鉄筋コンクリート骨組と座屈拘束筋違の取り付け方法の検討を行った。本年度の早い段階において、座屈拘束筋違の取付部を柱梁接合部に固定するアンカーボルトと、柱に設けた突出部(コッター)とガセットプレート端部を接触させて応力伝達を図る方法を対象に要素実験を行った。この実験からコッターを用いた取り付け方法によって取付部に高い剛性を確保できることが分かった。次いで、この取り付け方法を適用した柱梁部分骨組を製作し、座屈拘束筋違からの軸力と層間変形を油圧ジャッキにより作用させる載荷実験を行った。この実験では取付部周辺部材における応力伝達がコッターの力学性状、座屈拘束筋違の軸力伝達に及ぼす影響は小さく、またコッターの最大耐力は既往の計算式を用いることで安全側に評価できることが分かった。最後に3層RC建物を対象として座屈拘束筋違を適用した際の耐震性を時刻歴応答解析により検証した。低層建物においても適切に座屈拘束筋違を組み込むことにより、地動最大速度50cm/secに基準化した地震動に対しても建物の最大層間変形角を1/100rad.以下に抑えられることを示した。一方、上下の座屈拘束筋違の位相差により、使用した座屈拘束筋違の約1本分の降伏軸力に相当する水平引張力が取付部に作用することが明かになった。つまり、座屈拘束筋違の取付部はアンカーボルトによって柱梁接合部に少なくとも使用する座屈拘束筋違1本分の降伏軸力で緊結しておく必要があることが分かった。また、部分骨組実験で得られた取付部の局所変形を考慮した時刻歴応答解析を併せて行い、取付部の局所変形による座屈拘束筋違の変形ロスが全体挙動に及ぼす影響は少ないことが確認できた。
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