2011 Fiscal Year Annual Research Report
古地図・図会・浮世絵等と地震工学情報を統合した納得感のある減災行動誘発手法の開発
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22246071
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福和 伸夫 名古屋大学, 減災連携研究センター, 教授 (20238520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
護 雅史 名古屋大学, 減災連携研究センター, 准教授 (40447842)
飛田 潤 名古屋大学, 災害対策室, 教授 (90217521)
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Keywords | 地震防災 / 耐震化 |
Research Abstract |
高機能化と人口偏在・少子高齢化は災害への耐力を減じ、我が国社会は巨大地震により破綻しかねない状況にある。この回避には、個々人の耐震化努力が不可欠であり、政府や自治体は、耐震化推進のため地震防災戦略や耐震化促進計画を策定し、ハザードマップ作り、耐震診断・改修補助、安価な耐震改修工法の開発など、様々な施策を展開してきた。しかし、耐震化の進捗は芳しくない。その最大の原因は国民一人一人の意識にある。応募者は、耐震化推進の実践活動に携わる中で、(1)地震ハザード・リスクの理解、(2)地震危険度に対する納得感、(3)我が身の問題という我が事感、(4)身近な人の説得、(5)信頼できる専門家の助言と解決策提示、のプロセスを経れば、確実に耐震化行動に誘導できることを学んだ。そこで本応募研究では、各種地震工学情報と地理・地学・歴史・社会等の災害関連情報を融合することで、説明力を持った地震災害情報を創出し、理解→納得感→我が事感→説得→解決策提示による新たな減災行動誘発手法を開発する。 平成23年度は、村絵図をラスター画像情報として登録すると共に、江戸時代以降の土地利用の変遷や地名の変化を実感できるWebシステムの開発に着手した。また、浮世絵・図会などのラスター画像化を行うとともに、描画地点での微動計測を継続して行った。さらに、これらを活用して、ビジュアルにまちの変遷を理解できる環境を整え、古地図や空中写真、地形の変遷などと共に閲覧することで、災害危険度の高い地域への人間活動の拡大を伝えるシステムの構築に着手した。鸚鵡籠中記や猿猴庵日記などの分析も継続的に行っている。広域の高解像度地下構造モデルの構築を始めるとともに、地震観測データを組み合わせて強震動予測を行った。さらに、建物の地震応答解析を実施し、住民が居る場所に応じた揺れを予測し、地震時に住民が遭遇する揺れの様相を再現する環境を構築してきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予算等の関係により、計画以上には進展していないが、最終年度のH25年度に向けて、確実に成果が出てきていると判断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、継続的に行っているWebGIS化を進めるとともに、理論的裏付けのための微動計測も実施する予定である。また、現時点まで、ほぼ順調に進んでいるので、現状の研究体制を維持しつつ推進していく予定である。また、最終年度に向けて、システム構築を進めていく予定である。
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