2010 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液錯体化学に立脚したナノフォトセラミックスの合成:高度機能開拓と新物質探索
Project/Area Number |
22246081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
垣花 眞人 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50233664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 恒之 東海大学, 理学部, 講師 (00419235)
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Keywords | 水 / グリーンプロセス / ナノ光結晶 / 水溶性金属錯体 / フォトセラミックス |
Research Abstract |
平成22年度の研究実施計画のうち、特に、水溶性チタン錯体を活用した酸化チタン多形の結晶形態制御と高度機能化、および、水溶性ケイ素化合物(WSS)を用いたSi含有ナノフォトセラミックスの合成と高度機能化において良好な結果が得られたため、それらの研究成果の概要を示す。 前者では、主に難合成相として知られるブルカイト型二酸化チタンの合成ならびにその結晶形態制御と、光触媒材料としての高機能化を行った。従来法ではブルカイト型二酸化チタンは短棒~米粒状の形状で得られていたが、新たに添加剤としてオレイン酸ナトリウムを用いることでブルカイト型の単相合成に成功し、その粒子形態は従来とは異なる等方的で特定の結晶面が露出した亜立方体型結晶であった。高分解能透過型電子顕微鏡を用いて、露出した結晶面の同定に成功した。また、合成したブルカイト微粒子を用いて、ガラス基板やポリイミドなどのプラスチック基板上にもブルカイト薄膜を形成することに成功した。作製したブルカイト薄膜は近紫外光の照射によって従来のアナターゼ薄膜に比べ速い光親水化速度を示し、セルフクリーニングや防曇コート剤としてブルカイトが有望な材料であることを見出した。 後者では、開発した水溶性ケイ素化合物(WSS)をケイ素原料として、組成の均一性に優れる錯体重合法や、環境負荷の低い合成法であるアモルファス金属錯体法、および粒子形態制御に優れる均一沈殿法により種々のケイ素含有蛍光体を合成した。極めて広範囲に渡る材料探索を行い、その中でNa-M-Si-0(M=Ca,Sc)、Zn_2SiO_4:Mn、Sr_<1.46>Ba_<0.5>Eu_<0.04>SiO_4、BaZrSi_3O_9:Eu、Ba_3Si_6O_<12>N_2:Euなどにおいて強い蛍光強度をもつ蛍光体を見出すことに成功した。
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Research Products
(23 results)