2011 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー・マイクロ波ハイブリッド型メソプラズマCVDによるナノポーラス材料の創製
Project/Area Number |
22246082
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塗 溶 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80396506)
伊藤 暁彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20451635)
|
Keywords | 機能性セラミックス / メソプラズマ / 化学気相析出 / ナノポーラス / コーティング |
Research Abstract |
本研究者らは、これまで新規高速成膜プロセスとして、レーザーCVDを提案し、種々のセラミックス膜を従来の数100倍以上の成膜速度で作製してきた。本プロセスは、レーザーの電磁波により原料ガスを電離させ、数k~数10kPaの全圧の領域でメソプラズマを発生することによって化学反応が著しく活性化されるレーザー励起プラズマCVDである。 本研究では、このレーザー励起プラズマCVDに、さらにマイクロ波および電子サイクロトロン共鳴磁場を援用した新たなレーザー・マイクロ波ハイブリッドCVDを開拓し、従来未開のメソプラズマを用いた新規低温・高速成膜プロセスを確立する。 超多孔質膜は、粒径数十nmの微粒子が密に集合したネットワーク構造をしており、空隙の広い疎な膜である。近年、このような多孔体は、自動車用排ガス処理のための触媒の担持体として極めて重要な材料になっている。現在、種々の溶射プロセスやEBPVD(電子ビーム物理蒸着)などを用いた試みがなされているが、極めて多孔質でボアサイズをよく制御した材料を、ステンレスなどの安価な材料に均一かつ効率的に低温でコーティングできる技術はない。まずはレーザーを用いたCVDにより、高い耐食性を示すSiO_2や高温強度に優れたAl_2O_3および光触媒機能材料TiO_2などの酸化物膜を合成した。レーザー出力や成膜温度、原料供給量といったの成膜条件が膜の結晶相、微細構造に与える影響を調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nd:YAGレーザーを用いるレーザーCVDとマイクロ波および電子サイクロトロン共鳴を組み合わせた新規レーザー・マイクロ波ハイブリッドメソプラズマCVD装置を設計・製作した。
|
Strategy for Future Research Activity |
レーザーCVDにより合成したセラミックス膜では、羽毛状組織を有する柱状晶が成長するなど、従来のCVD法では報告されていない特異なナノ構造を持つ膜が得られる。超多孔質構造や樹枝状成長は、膜の結晶成長方向や原料ガス種にも依存するため、全ての材料系に適用できないかもしれないが、このような羽毛状組織もまたナノポーラス材料として活用できるため、広範な材料系に本手法を適用していく。
|
Research Products
(34 results)