2011 Fiscal Year Annual Research Report
高スピン分極強磁性材料の探索とそのデバイス適合性の検討
Project/Area Number |
22246091
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料ユニット, ユニット長 (60229151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 有紀子 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料ユニット, 主幹研究員 (50421392)
林 将光 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料ユニット, 主任研究員 (70517854)
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Keywords | 磁性材料 / スピントロニクス |
Research Abstract |
従来の限られた3元系ホイスラー合金に合金設計の自由度を持たせるため、4元系ホイスラー合金等の強磁性合金の伝導電子のスピン分極率を点接触アンドレーフ反射法(PCAR)を用いて直接測定し、高い分極率を持つ強磁性合金の探索を行った。その結果、Co2Fe(Ge,Ga),Co2Mn(Ge,Ga),Co2Fe(Si,Ge)が高スピン分極強磁性材料として有望であることが判明した。これらの探索材料を電極として、AgをスペーサとしたCPP-GMR素子を作製し、素子における伝導電子のバルクならっびに界面でのスピン散乱非対称性を評価し、室温で高い磁気抵抗がえられるメカニズムを検討した。また高いMR比の得られたCPP-GMR素子について、発振特性を評価した結果、これらの新材料で大きなGHz帯の発信振幅が得られることが分かった。さらに高密度磁気記録用再生ヘッドへの応用の可能性を検討するために、ホイスラー合金層の反強磁性交換結合を利用した3層磁気抵抗素子を試作し、そのMR特性ならびにノイズ性能を評価し、これが狭ギャップ高密度再生ヘッドとして有望であることを示した。さらにCo2Fe(Ge,Ga)合金とAgを使った面内スピンバルブを試作し、トンネル障壁をつかわない低電気抵抗LSVとしては最も高いスピン信号が得られることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に提案したように、新規高スピン分極強磁性材料の探索に成功し、その新材料を種々のデバイスに展開して、いずれのデバイスでもこれまでの記録を更新する特性が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
ハードディスクメーカーとの共同研究をすすめ、応用上のニーズや仕様を的確に掌握し、これまでの基礎研究でえられた成果をもとに、実用に適したデバイスに展開する。
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