2012 Fiscal Year Annual Research Report
溶接アークプラズマ中の金属蒸気の元素分離ダイナミクスと微粒子の生成過程メカニズム
Project/Area Number |
22246095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 学 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (20243272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 真一 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (70432424)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 可視化 / 計測工学 / プラズマ工学 / シミュレーション / 溶接 / アーク / ヒューム / 金属蒸気 |
Research Abstract |
ものづくりに必須の基盤技術でありながら、未だ「巧みの世界」と言われるアーク溶接技術を科学に立脚した技術に発展させるため、(1)アーク溶接プロセスで生じるプラズマ中の金属蒸気の元素分離とそれに伴う金属クラスター微粒子の生成過程を実験的に把握するとともに、(2)アーク溶接プロセスの総合的な数値計算シミュレーションを実施し、(3)実験結果と比較検討することにより、金属蒸気の元素分離ダイナミクスと金属微粒子の生成過程メカニズムを明らかにし、それらが溶融プール形成に及ぼす影響について定量的に明らかにすることを目的とする。 平成24年度は、ステンレス鋼のGTA(ガスタングステンアーク)溶接プロセスの金属蒸気挙動を解析した。その結果、高合金であるステンレス鋼からは、鉄、クロム、マンガンの蒸発が観察されたが、それぞれがアークプラズマ空間内で元素分離されることがわかった。これは、蒸気圧の高いクロムとマンガンは陰極ジェットを超えて、その上側の循環流に入り込むため、アークプラズマ中心部に流入するものの、鉄は蒸気圧が低いため陰極ジェットによってアークプラズマ空間から排出されるためである。また、金属蒸気の混入により、アークプラズマの温度が時間経過と伴に低下することが明らかになった。これは、金属原子の電離エネルギーが低く、プラズマ空間で電子を放出し、イオンを形成することにより、プラズマの電気伝導率が上昇するためである。一方、微粒子生成については、プラズマ空間の元素分離の影響により、母材近傍では鉄リッチの微粒子、アーク上方ではクロムリッチの微粒子が形成されることが明らかになった。以上により、GTA溶接プロセスにおけるプラズマ中の金属蒸気の元素分離ダイナミクスと金属微粒子の生成過程メカニズムを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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