2011 Fiscal Year Annual Research Report
仮想飛行試験の実現に向けた次世代動的風洞実験の基盤構築
Project/Area Number |
22246103
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 圭介 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40358669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 大樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70360724)
沼田 大樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20551534)
姜 欣 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30451537)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 知能ロボティックス / 流体工学 / 飛行力学 / 先進計測 |
Research Abstract |
本研究では,次世代動的風洞実験技術の基盤となる6自由度ロボットマニピュレータの開発に取り組み,その有効性を系統的な風洞試験で評価することを目的とする.また,先進計測技術を利用して高精度の非定常実験データを取得し,非定常CFD計算結果の検証にも寄与することを目指す.このため,ロボティクス,実験空気力学,先進計測,数値流体力学の研究者が連携し研究に取り組んだ.平成23年度は,昨年度の繰り越しで設計製作した新型HEXA型パラレルロボットマニピュレータのチューニング作業と平行に,PA-10型シリアルロボットを用いた系統的な実証風洞試験を開始した.第1段階として後退角80degのデルタ翼模型に周期的な振動を与えた実験を行い,縦方向(ピッチ)と横方向(ローリング)の運動に対して,1自由度運動の模擬から始め,最終的にはそれぞれに上下運動(ヒービング)と偏揺れ運動(ヨー)を加えた2自由度運動の模擬を行うことに成功した.これに合わせて,感圧塗料(PSP)による非定常空気力の計測とステレオカメラによる模型姿勢の3次元計測を行うため,必要とされる高速カメラ(1つはPSP用の12ビットCMOS高速ビデオ,他方は姿勢計測用のCMOSカメラ4台からなる同期計測システム)を導入した.PSP計測については,LED光源を回転に同期させて発光させる「Phase Lock法」を用いて,ロール運動するデルタ翼面上の非定常表面圧力を撮影することに成功した.さらに,実証試験の第2段階として,模擬自由飛行の実現に挑戦した.ここでは不安定モードとしてデルタ翼のウイングロック現象を取りあげ,模型にはたらく空力モーメントの計測値を用いてコンピュータで運動計算を行い,それをロボットマニピュレータの駆動信号にリアルタイムでフィードバックすることで,自由回転時の運動を再現することを試みた.周波数と振幅が異なるものの,力センサーの時間遅れをフィードフォワードで補償することで,デルタ翼のリミットサイクル状態が再現できることを初めて実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型HEXA型パラレルロボットマニピュレータの制御系と3次元模型姿勢計測システムの開発は予定より時間がかかっているものの,PA-10型シリアルロボットを用いた実証風洞試験では予定通り,縦方向・横方向各々において2自由度運動を再現することに成功した.これに加えて,風洞実験による空気力計測とコンピュータによる運動計算を組み合わせた"ハイブリッドシミュレーション"の概念を用いて,デルタ翼のウイングロック現象の模擬に世界で初めて成功するなど,順調な成果を挙げている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新型HEXA型パラレルロボットマニピュレータの性能評価とそれを用いた実証試験に注力するとともに,3次元計測システムを完成させ,複数のカメラ画像から模型姿勢や局所的変形を決定する手法を確立する.合わせて,複合PSPによる非定常圧力分布計測の高精度化やハイブリッドシミュレーションにおける遅れ補償法の改良に取り組み,当初の目的である風洞内仮想飛行実験実現のための基盤を築く.
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Characterization of Frequency Response of Pressure-Sensitive Paints2012
Author(s)
Sugimoto, T., Kitashima, S., Numata, D., Nagai, H., Asai, K.
Organizer
50th AIAA Aerospace Sciences Meeting
Place of Presentation
ナッシュビル,米国
Year and Date
2012-12-01
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