2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246107
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 健 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90183433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 健 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70107366)
|
Keywords | 海流発電 / 係留式 / 2重反転タービン式 / 浮体運動 / 最軽量発電方式 |
Research Abstract |
海洋再生エネルギーを大規模に導入するためには発電コストを抑えることが重要であるが、海流発電は他の発電方式に比べ重量最小化の可能性が最も高い。本研究では係留式海流発電装置を研究対象とし、それが超すべき技術課題を模型実験と数値シミュレーションレベルで解決することを目的として以下の研究を行った。 本年度は、まずコストを大きく減らすことが可能な最小構造重量の海洋エネルギー発電装置の有望な候補として2重反転タービン式海流発電装置と双発タービン式海流発電装置について考察し、基本的なコンセプトを示した。また、ここで示した装置について簡便な方法で構造重量の推定を行った。その結果、2重反転タービン式と双発タービン式の間では大きな差異は無いことが分かった。また、構造重量については発電機容量を大きくするメリットは無いことも分かった。 さらに、コンセプト設計を行った、2重反転タービン式海流発電装置の運動解析の精度を向上するため、研究代表者が所有する波浪中運動解析数値計算コードを拡張し、タービンブレードに働く波浪影響の揚力成分以外の部分をモリソン式で評価し、他の研究で行われた実験結果と対比してその精度を検討した。その結果、解析コードはある程度の精度を持つことが分かった。 一方、この装置を係留する係留索については、その運動を解析するためLumped-mass法に基づく係留系の計算プログラムを作成し、カテナリー係留とハイブリッド係留について計算値と実験値の比較を行った。その結果、この計算法により、実験結果を上手く再現できることが分かった。また、金属鎖と繊維索の構成比と全長を様々に変化させた場合の上端にかかるRAOと位相差、アンカー部分にかかる最大張力の関係について調べた。その結果、位置保持という観点ではハイブリッド係留は性能が劣るが、係留索の全長を短くできる可能性を見出すことができた。
|