2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 健 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90183433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 健 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70107366)
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Keywords | 海流発電 / 係留式 / 2重反転タービン / 浮体運動 / 最軽量発電方式 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った。 昨年度作成した運動解析コードに、昨年度作成したランプド・マス法による係留系解析ルーチンを追加し、係留系の運動が正確に把握できるようにした。さらに、このコードを時系列解析が可能なように拡張し、変動流体力や大波高波浪影響を取り入れた。ただし、大波高波浪影響は厳密な意味での非線形計算を行うのではなく、モリソン式による抗力計算とフルードクリロフ力を厳密に扱うことにした。これにより波浪影響の推定や海流の変動に伴う変動流体力の影響評価を行えるようになった。 この運動解析コードを用いて、海流の流速流向変化による姿勢変化、振れ回り運動、波浪による長周期・短周期運動の推定を行った。その結果、波浪による影響は大変小さいことが分かった。また、海流流速流向変化に伴う長周期の姿勢変化についても検討した結果、ウェザーベーン機能は期待できるが、浮体姿勢変化は大変緩やかで、ピッチコントロールによる姿勢制御を併用したほうが良いことが分かった。またさらに、短周期の変動に対するピッチコントロールの可能性についても検討し、短周期の変動を減らせる可能性を見出した。 以上を実験で確認するため、タービン模擬装置を取り付けた海流発電装置模型と係留系模型の開発と製作を行った。これを用いて、大型水槽および回流水槽において、浮体模型の流れの中での係留試験を行った。ここでは、流向変化による浮体の姿勢変化や係留力を計測するとともに、前述の計算コードの精度検証を行った。さらに、規則波中における浮体動揺運動の計測を行うとともに、ピッチコントロールの試験も実施し、浮体運動の制御可能性を実験的にも見出した。 最後に、設置、メンテナンス、アンカーの展開法、回収法を調査・検討した。それに基づき、設置、メンテナンス、回収の効率的実施法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に書いた項目について、全て研究を実施し、予定どおりの成果を得た。 曳航状態のシミュレーションについてのみ、メンテナンスや設置の手法調査が手間取り、シミュレーションを実施するにいたらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は順調に進んでおり、特におおきな変更点はない。 ただ、当初予定していた波浪発電とのハイブリッドは非効率なことが判明したので、今後は海流発電に集中して取り組む。
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Research Products
(1 results)