2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246108
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
粟飯原 周二 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10373599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴沼 一樹 東京大学, 工学系研究科(工学部), 助教 (30611826)
吉成 仁志 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20167737)
|
Keywords | 材料・構造力学 / 破壊力学 / 船体構造 / 脆性破壊 / き裂伝播 / 溶接構造 / 数値モデル |
Research Abstract |
本研究は大型海上輸送体の大規模破壊を防止する設計基準の確立に資するために基盤研究を行うものである。特に、近年大型化が著しいコンテナ船ではこれまで経験のない70mmを超える極厚鋼板が使用されるようになり、このような極厚鋼板を使用した超大型船体における信頼性を確保するために、高速で伝播する脆性き裂の挙動を基礎的に研究する必要がある。 初年度に、大型脆性き裂伝播試験においてき裂伝播抵抗値(Kca)が負荷応力を高くすると通常条件よりも高くなる現象を発見したが、実験条件を追加してKcaの負荷応力依存性を定量的に評価した。 次に、鋼の脆性き裂伝播挙動をミクロ的視点から検討を行った。具体的には、脆性き裂伝播の結晶粒レベルのファセット面の変化に挙動に注目し、試験温度によってファセット単位が変化する様子を計算により再現するモデルを開発し、実験室で再現した脆性き裂破面の形態の試験温度依存性を再現できることを確認した。 一方、溶接構造体における脆性き裂伝播挙動を解析するためのき裂伝播モデルの高精度化を行った。具体的には、溶接継手の3次元開先形状を考慮することにより、開先形状によって生じるき裂伝播抵抗値の3次元分布によってき裂伝播の3次元的挙動が変化することを考慮することができるようになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脆性き裂伝播の数値計算モデルの開発は予定どおり進捗したが、脆性き裂伝播の実験については、実験条件の設定に手間取ったこともあり、予定よりも遅れた。次年度に実施するので、問題とはならないと認識している。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、大型脆性き裂伝播試験を実施することにより、従来から指摘されてきた試験片サイズによりKcaが変化する条件を実験から明確とするとともに、き裂伝播の数値計算モデルの高精度化と系統的な計算により、上記問題を解明する。
|
Research Products
(6 results)