2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
粟飯原 周二 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10373599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴沼 一樹 東京大学, 工学系研究科(工学部), 助教 (30611826)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 材料・構造力学 / 破壊力学 / 船体構造 / 脆性破壊 / き裂伝播 / 溶接構造 / 数値モデル |
Research Abstract |
本研究は大型海上輸送体の大規模破壊を防止する設計基準の確立に資するために研究を行う。特に、近年大型化が著しいコンテナ船ではこれまで経験のない70mmを超える極厚鋼板が使用されるようになり、このような極厚鋼板を使用した超大型船体における信頼性を確保するために、高速で伝播する脆性き裂の挙動を基礎的に研究する必要がある。 初年度と第2年度で、これまで長年未解決であった脆性き裂伝播抵抗値が試験片寸法によって変化し、標準サイズ試験から実構造を模擬した大型試験のき裂伝播停止挙動を予測できないという問題を基本的に解明した。大型試験ではき裂が長くなるためにき裂先端で塑性変形が大きくなるために、き裂が長くなるほうがむしろき裂先端の応力が低下してき裂が伝播しにくくなるというのが、上記問題の本質であることを発見した。これを大型試験によって確認するとともに、き裂先端塑性変形を考慮した計算モデルを開発し、実験結果を説明するとともに、説明ができなかった従来の実験データも説明できることを確認した。 実溶接構造物では、脆性き裂が溶接継手に沿って伝播するか、母材に逸れるかがき裂を停止させるための設計に重要となるが、これまではそれを解析する手法が存在しなかった。本研究では、溶接部の靭性不均一性と溶接残留応力を考慮したき裂伝播モデルを開発した。特に、溶接開先形状の変化によるき裂伝播経路の変化を予測するために3次元数値計算モデルを開発した。系統的な計算を実施することにより、負荷応力、靭性分布に加えて開先形状によってき裂の直進/逸脱を予測できるようになった。 さらに、脆性き裂伝播のミクロ挙動に関する計算モデルを開発した。脆性破面のファセット単位が試験温度によって変化することを実験的に明確とし、それを説明する計算モデルを開発した。 以上によって、ミクロマクロ両面から鋼材の脆性き裂伝播挙動を解明できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)