2011 Fiscal Year Annual Research Report
船舶海洋構造物のdurability評価手法の高度化
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22246109
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
角 洋一 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (80107367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 恭己 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50262407)
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Keywords | 材料・構造力学 / 疲労 / 腐食衰耗 / durability |
Research Abstract |
本研究は、実働波浪荷重に対する疲労強度評価法の高度化とその実験的検証および海水腐食をうけた構造部材の残存強度評価法を開発し、船舶・海洋構造物のdurabilityの適切な管理のための学術的基礎を確立することを目的として、実施されている。 本年度は、疲労強度検討際して、き裂伝播に及ぼす板厚影響を数値計算により系統的に調査した。また、波浪荷重下における疲労試験と対応する数値シミュレーションを実施し、シミュレーションモデルの妥当性検証とき裂開閉口解析モデルの高精度化へのフィードバックを行った。現在、大波高時のスラミング、ホイッピング応力重畳下に対して一般的に適用可能な疲労き裂伝播寿命の数値シミュレーション手法の開発を継続中である。 各種腐食条件下の船体用鋼板に関する研究では、腐食面の統計的性質を調査するとともに、ピットから全面腐食に至る腐食表面の生成過程を数値生成するシミュレーション手法を確立し、ピット分布を各種変化させた系統的な引張試験を小型平板試験片により行い、腐食鋼板の強度および延性低下に対する寸法効果を解明した。ピット形状についても、コーン型や回転楕円体形状の腐食ピットについてその形状影響を明らかにし、対応する数値シミュレーションを実施し、巨視的延性低下と塑性変形領域の局所化との関係を解明した。さらにリスクベースによるdurability評価法の提案に関係して本研究では、腐食による構造部材の強度低下を考慮した縦曲げ破壊に関するリスク評価手法の検討を行うとともに、それを用いた構造、及びメインテナンス計画の最適化手法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疲労き裂伝播に及ぼすランダム・クラスター荷重の影響、板厚効果を解明するとともに、振動成分の重畳した疲労現象について、実験的にその特性を明らかにした。また、腐食ピットのある鋼板の強度と延性を数値シミュレーションにより推定する手法を確立し、ほぼ計画通りの進捗状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
疲労き裂成長に関して、ホイッピング振動成分が重畳し場合の数値シミュレーション法の確立と、溶接残留応力や溶接部をピーニング処理した場合の残留応力分布が疲労き裂成長に及ぼす影響を解明すべく研究を進める。また、腐食に関しては、鋼板部材に対する強度および延性低下の評価はできるようになったので、この特性を補強板構造の強度と延性評価に繋げる研究を進める。
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Research Products
(7 results)