2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22247004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
経塚 淳子 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (90273838)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イネ / 穂の分枝 / TAWAWA1(TAWA1) / 相互作用 / 種子数 / 栽培密度 |
Research Abstract |
イネ穂の形成においては、まず、枝分かれが作られ、そのそれぞれに花(小穂)が形成される。ひとつの小穂にひとつの種子(コメ)が形成される。したがって、小穂形成の前にどれだけ枝わかれが形成されたかがひとつの穂につくコメの数を決定する。TAWAWA1(TAW1)遺伝子は、穂の枝分かれ形成をコントロールする遺伝子である。本研究では、TAW1遺伝子の分子機能を明らかにすることを目的としている。また、TAW1のイネ収量増加への貢献についても研究をすすめている。 TAW1タンパク質は細胞核に局在することがわかっており、他の遺伝子の転写を調節する機能があると考えられているがその詳細は明らかではない。そこで、TAW1タンパク質が相互作用するタンパク質を酵母ツーハイブリッド法で探索した。TAW1と結合する、核に局在する、穂形成時に発現するという条件を満たす遺伝子としてシロイヌナズナBlade on Petiole1 (BOP1)のイネ相同遺伝子が単離された。イネゲノムにはBOP1相同遺伝子が3つある。これらタンパク質のすべてがTAW1と相互作用することがわかった。また、TAW1とBOPが植物体内で結合することをBiFC法により確認した。BOP1相同遺伝子の機能を明らかにするために過剰発現とRNAiによるノックダウンを行っている。 ひとつの穂にできるコメの数は収量を決定する重要な要因である。また、植物の繁殖における最重要事項である。植物の生育環境の情報の繁殖へのインプットを明らかにするために栽培密度を変えてtaw1-D変異体を育成したところ、栽培密度とTAW1の働きが密接に関連することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
TAWAWA1タンパク質と相互作用する遺伝子を単離できた。また、環境条件がTAW1遺伝子にインプットされているという興味深い知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた情報に基づき、最終年度(平成25年度)にさらにTAW1の分子機能の解析を進める。
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Research Products
(1 results)