2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22247007
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
黒岩 常祥 立教大学, 理学研究科, 教授 (50033353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 宗一 琉球大学, 理学部, 教授 (00201674)
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Keywords | 色素体分裂マシン / ミトコンドリア分裂マシン / ゲノム情報 / 液クロ・MS / プロテオーム / ZED遺伝子 / ZAP遺伝子 / 真核細胞の基本構成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、原始紅藻シゾンの葉緑体とミトコンドリアの分裂マシンを単離し、それを構成する全タンパク質とその遺伝子をMULDI TOF-MSによるプロテオーム解析により分析すること、これらの遺伝子の分裂増殖における役割を同定することである。本研究では、この目的に沿って研究を遂行し、次の成果を得た。 1.先ず、色素体分裂マシンがミトコンドリア分裂マシンより大きいことから、この分裂マシンの全タンパク質を解析することから始めた。しかし分裂マシンを形成する主構造である直径7nmの繊維がタンパク質でないことが明らかとなった。そこで、種々の解析をしたところ、糖の反応を示した。 2.次に糖繊維を合成する酵素が色素体分裂マシン内に存在するかどうかをMULDI TOF-MSで解析したところ、グリコシルトランスフェラーゼが検出された。 3.このグリコシルトランスフェラーゼの抗体を作製し、免疫蛍光・電子顕微鏡によって調べたところ、このタンパク質は色素体分裂マシンに局在することが明らかとなった。 4.次にアンチセンス法により、この遺伝子を破壊したところ、分裂装置の内側のFt s Zリングは形成されているが、グリコシルトランスフェラーゼのリングは現れなかったし、外側の分裂マシンも形成されていなかった。 5.以上のこと及びこれまでの結果から、色素体は色素体分裂マシンを形成する糖繊維とダイナミン分子の相互作用により収縮し、'最後にダイナミンによって分断されることが明らかとなってきた。 この仕組はミトコンドリア分裂マシンにも当てはまると考えられ、今後はミトコンドリアについても同様な研究を進める。
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