2010 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸とニューレギュリンによる減数分裂開始機構の解明
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22247008
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安部 真一 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90109637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 恒 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40359964)
荒木 令江 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (80253722)
樽井 寛 独立行政法人理化学研究所, ゲノム資源解析ユニット, ユニットリーダー (90342815)
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Keywords | 精巣 / 減数分裂開始 / neuregulin / Retinoic acid |
Research Abstract |
1)NRG1のconditionalノックアウト(KO)マウスの生後精巣における解析 生後精巣における精原細胞の増殖、分化におけるNRG1の機能を解析するため、セルトリ細胞特異的にNRG1遺伝子を欠損させ得るConditional KOマウスを作製した。そこで、生後14日目のKOマウスにタモキシフェンを投与したところ、1ヶ月後に精細管内に空洞が見られ、BrdUの取り込みの低下、STRA8陽性細胞数の低下等が見られたことから、NRG1は精原細胞の増殖と減数分裂開始に重要であることが示唆された。 2)GC-1細胞におけるErbB4の機能解析 GC-1細胞がどのような特徴を持つのか知るため、減数分裂関連因子の発現について解析した結果、精母細胞マーカーのSpo11、Scp3、Stra8mRNA、およびScp3タンパク質の発現が検出され、GC-1細胞は初期精母細胞の、ザイゴテン期からパキテン期の性質の一部を示すことが分かった。GC-1細胞にErbB4タンパク質の発現が見られなかったので、ErbB4またはp80をトランスフェクションしたところ、どちらの場合もmockの細胞と比較して有意に増殖を促進させた。 3)精原細胞の増殖や分化におけるERBB4の細胞内ドメインp80の機能 Neuregulin(NRG)1のチロシンキナーゼ型受容体ERBB4は、プロテアーゼでその細胞内ドメインp80が切り出され、核に移行し、転写因子として機能することが知られている。HeLa細胞に高濃度のNRG1を作用させると、細胞の増殖活性が抑制され、p80が核に蓄積された。p80と結合するタンパク質を免疫沈降、プロテオミクスで単離、同定したところ、その一つとして、近年c-mycのプロモーター配列に結合して転写因子として働くことが報告されているα-enolaseが見出された。
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Research Products
(16 results)