2012 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸とニューレギュリンによる減数分裂開始機構の解明
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22247008
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安部 眞一 熊本大学, 事務局, 理事・副学長 (90109637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 恒 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授(Associate Professor) (40359964)
荒木 令江 熊本大学, 生命科学研究部(医), 准教授(Associate Professor) (80253722)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 精子分化 / 減数分裂開始 / neuregulin / ERBB |
Research Abstract |
Retinoic acidとNeuregulin(Nrg)による精原細胞の増殖促進機構及び減数分裂開始機構を解明することを目的とする。 1) Nrg1 transgenic mouse (Tg)の解析:NRG1が精原細胞の増殖と減数分裂開始に重要であることをNrg1 knockout mouseや器官培養を用いて示したので、Nrg1をセルトリ細胞に強制発現させるために、Mis promoterの下流にNrg1をつないだTgを作製した。6-dppのTgを調べた結果、genome typingではTg-NRG1遺伝子の発現を確認したが、精原細胞の増殖活性は、wildマウスと有意差が見られなかった。また減数分裂開始markerであるSTRA8の発現量も差が認められなかった。解析したTgでは、過剰発現されたNRG1タンパクが精原細胞の増殖や減数分裂開始に機能するのに十分な発現量に足してないのではないかと考えられる。 2) ERBBの機能:ERBB2/4タンパク質は生殖細胞に発現が見られた。生後2、4週目のErbB4 domi-nega double-Tg (DT)とcontrolのsingle Tg(ST)にtamoxifenを注射し、精原細胞の増殖活性を調べた結果、DTではSTに比べて約3~4割減少していた。また、STRA8の細胞数は、DTではSTに比べて約25%減少していた。これらの結果は、ErbB4が分化型精原細胞の増殖と減数分裂開始に関与することを示唆する。 3)p80とα-enolaseの機能解析:低濃度のNRG1はHeLa細胞の増殖を促進するが、高濃度のNRG1はp80を出現させ、細胞増殖を阻害する。p80はα-enolaseと結合し、c-myc遺伝子の転写を阻害すること、また、その転写阻害は核でのc-mycタンパク質を減少させ、細胞増殖を抑制することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Transgenic mouseの表現型の解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
Tg-NRG1マウスとwildマウス精原細胞の増殖活性や初期減数分裂のマーガーであるSTRA8の発現を調べた結果、顕著な差が見いだされなかった理由として、解析したTg-NRGマウスでは、NRG1タンパクが精原細胞の増殖や減数分裂開始に機能するのに十分な発現量に達してないのではないかと考えられる。今後、NRG1の発現量や、未分化精原細胞の影響に及ぼすかどうかなどについて検討する必要があると考えられる。
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