2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22247030
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大野 茂男 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10142027)
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Keywords | 癌 / 再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 発生・分化 |
Research Abstract |
上皮細胞の極性化と脱極性化におけるPAR-aPKC系の具体的な分子機構として、新たにaPKCに直接結合してそのキナーゼ活性を抑制することにより、アピカル膜ドメイン形成を負に制御しているKIBRAを見いだした。これまでに、aPKC-PAR系が膜ドメイン形成、特にアピカル膜ドメイン形成を正に制御していること、またこの過程にLglが関わる事がわかっていた。今回、KIBRAがLglとは独立にエキソサイトーシスを負に制御している事が明らかとなった。細胞増殖シグナル系とPAR-aPKC 系との具体的な分子機構に関しては、Lglが増殖を制御する具体的な経路を同定した。Lglの新規結合タンパク質としてVprBP及びDDB1を同定した。VprBP-DDB1は、VprBP-DDB1-Cul4A-Roc1 (CRL4 [VprBP]) ユビキチンE3リガーゼの構成因子であり、LglがE3リガーゼ複合体の形成を抑制することを見いだした。このE3リガーゼ複合体の基質の同定を進めている。細胞死シグナル系とPAR-aPKC系との具体的な関係とその分子機構に関しては、既に見いだしていた細胞死誘導因子ASPP2とaPKC=PAR系との関わりを明らかにすることを目的として、関連の結合タンパク質を探索し、複数の候補分子を得た。組織幹細胞の自己更新・非対称分裂におけるPAR-aPKC系の具体的な役割に関しては、PAR3の神経幹細胞におけるconditionalノックアウトマウスを作成し、その解析を進めた。これまでの研究で不可能であった、神経発生の初期における役割を解析するために、FoxG1-Creトランスジェニックマウスを用いた。その解析から、PAR3が神経幹細胞の発生初期で重要な役割を果たしていることを示唆する結果をえて、その解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、1) 上皮細胞の極性化と脱極性化におけるPAR-aPKC系の具体的な分子機構、2) 細胞増殖シグナル系とPAR-aPKC系との具体的な分子機構、3) 細胞死シグナル系とPAR-aPKC系との具体的な関係とその分子機構、4) 組織幹細胞の自己更新・非対称分裂におけるPAR-aPKC系の具体的な役割とその分子機構、という明確な目的を掲げて研究を進めた。この中で、1)に関しては、既にほぼ目的を達成し、次の段階に進んでいる。2)に関しても、新規分子の同定に成功しその分子機構の解析を進めている。3)と4)に関しても、役割の同定を順調に進めて、その分子機構の解析の段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
Lglによる増殖抑制の機構を、Vpr-BPに着目して進めると同時に、Hippo系との関わりの解析を進めるもことにより、細胞増殖シグナル系とPAR-aPKC系との具体的な分子機構の一端を明らかとする。新たに取得したASPP2結合タンパク質を用いて、aPKC-PAR複合体とASPP2との関わりの解析を進めて、細胞死シグナル系とPAR-aPKC系との具体的な関係解析を進める事により、その分子機構の一端を明らかとする。PAR3-cKOマウスの解析をすすめると同時に、初代細胞系を用いて神経幹細胞の自己更新・非対称分裂におけるPAR-aPKC系の具体的な役割とその分子機構の一端を明らかとする。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] The co-expression of aPKCλ/ι and IL-6 in prostate cancer tissue correlates with biochemical recurrence.2011
Author(s)
Ishiguro H, Akimoto K, Nagashima Y, Kagawa E, Sasaki T, Sano J, Takagawa R, Fujinami K, Sasaki K, Aoki I, Ohno S, Kubota Y, Uemura H
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 102(8)
Pages: 1576-1581
Peer Reviewed
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[Journal Article] A novel role for hSMG-1 in stress granule formation.2011
Author(s)
Brown J A, Roberts T L, Richards R, Woods R, Birrell G, Lim YC, Ohno S, Yamashita A, Abraham RT, Gueven N, Lavin MF
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Journal Title
Mol Cell Biol
Volume: 31(22)
Pages: 4417-4429
Peer Reviewed
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[Presentation] aPKClambda regulates mammary luminal progenitor cell propagation and its disruption in a subpopulation of breast cancer.
Author(s)
Akimoto K, Nagashima Y, Ishiguro H, Zheng Y W, Osato N, Sasaki K, Kojima Y, Tamura T, Taniguchi H, Noda T, Ohno S
Organizer
US-Japan Summer Conference on Cancer, Diabetes and Inflammation
Place of Presentation
Beckman Center Lecture Hall(Duarte, CA, USA)
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[Presentation] Cell polarity and cancer.
Author(s)
Ohno S
Organizer
2011 International Symposium on Infectious Disease and Signal Transduction, 2011 Taiwan-Japan Joint Symposium on Cell Signaling and Gene Regulation
Place of Presentation
College of Medicine, National Cheng Kung University(Tainan City, Taiwan)
Invited
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