2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22247038
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
曽根 良昭 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (60145802)
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Keywords | 生活習慣 / 食生活 / 体脂肪率 |
Research Abstract |
近年の急速な"食のグローバリゼーション"による日常食の世界的均一化は人々の"食への不適応"を招来し、生活習慣病の蔓延の一因となっていると考えられる。そこで本研究では、3カ国の"標準的日常食"と"世界化日常食"を選定し、これらの日常食を摂取した時に測定される糖・脂質代謝-自律・中枢神経活動指標を比較して"食のグローバリゼーション"が人類に与える影響を生理人類学の観点から検証することである。研究初年度では平成23~24年度に行う生理学的検証実験実施のための準備研究として以下の研究・調査を実施した。(1)平成22年度までの科学研究にもとづきポーランドの日常食との違いを特徴づけた標準的な日本食の献立をポーランド研究協力者と協議して確定し平成23年度にポーランド被験者が2カ月間長期摂取実験を行うことになった。(2)タイ国での長期摂取実験を行うためタイ被験者グループの食物摂取状況調査、体重・体脂肪率、日常活動強度の年間変化調査を開始した。(3)日本では今年度、備品として購入したInBodyを用いて体脂肪率と体重、日常活動強度の年間を通じた調査を行った。その結果(1)体脂肪率は、過去の研究と同様に、夏季に低下し、冬季に上昇するという傾向があった。(2)体重も体脂肪率と同様な月間変動を示した。(3)骨格筋量や体水分量よりも、体脂肪量の方が月ごとの変動が大きかった。以上の結果より本研究の目的である生活習慣病、特に体脂肪率・肥満と"食への不適応"の関連を明らかにするための研究準備が整った。
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