2011 Fiscal Year Annual Research Report
STOP1転写因子が制御するマルチストレス耐性の理解と分子育種基盤の構築
Project/Area Number |
22248006
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小山 博之 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90234921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義治 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50301784)
井内 聖 独立行政法人理化学研究所, 実験植物開発室, 研究員 (90312256)
鈴木 雄二 東北大学, 農学研究科, 助教 (80374974)
櫻井 望 かずさDNA研究所, 植物ゲノムバイテク室, 研究員 (30392286)
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Keywords | 酸耐性 / アルミニウム耐性 / バイオインフォマティクス / STOP1 |
Research Abstract |
STOP1転写因子は多くの植物に存在する、酸性土壌耐性のマスターキーとなる転写因子と考えられている。その分子機構の理解と、分子育種基盤の構築を目的として、本年は以下の研究を進めた。 1)異種植物のSTOP1転写因子コード遺伝子の単離この項目では、タバコ、カウピー、ユーカリ、等10種以上の植物からSTOP1相同遺伝子を単離した。尚、遺伝子の多くはタンパク質レベルで75%以上の高い相同性を示した。 2)相補組み換体の作製この項目では、上記遺伝子をシロイヌナズナSTOP1変異体に組換えた相補組換え体を作成した。総数、150程度の独立したラインを作成して、形質評価の準備を整えた。尚、いくつかの種では部分的な相補を示すことから、STOP1分子がAlシグナル等の分岐も担うことが示された。 3)STOP1に制御される遺伝子の制御機構のバイオインフォマティクスこの項目では、アルミ誘導や酸誘導の遺伝子群をマイクロアレイで特定して、そのプロモーター領域の出現頻度が高い配列の特定、プロモーターデリーションシリーズによる発現解析などを行った。これにより、アルミニウム応答とABA応答の独立制御などが、STOP1制御遺伝子では生じていることが明らかとなった。 4)光合成能力及び代謝産物の調査この項目では、組換え体の光合成能力や炭水化物を中心とするメタボライトの網羅解析を実施した。これにより、STOP1変異ではそれぞれの因子が影響を受けていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初、組換え体を作成する理化学研究所、光合成やメタボロームを分担する東北大学、かずさDNA研究所が、東日本大震災の影響を受け、作成中の材料などが被害を受けた。しかし、年度後半には概ね遅れを取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年は、特に成果発表(論文作成)に必要な、細部に関わるデータを取ることに注力する予定である。
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Research Products
(7 results)