2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22248021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 豊二 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (70221190)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 塩類細胞 / カリウム / セシウム / ROMK / ティラピア / 浸透圧調節 |
Research Abstract |
イオン濃度の乏しい淡水中に生息する魚類は、常に体外へとイオンが流出する危険にさらされている。K+に関しても、通常は体内に保持する必要がある。しかし、高K+食やアシドーシス、また細胞や体組織の崩壊などにより、一時的に血漿K+が過剰に上昇する危険性がある。そのため、淡水適応時の魚類でもK+に関してはその排出機構の存在が強く考えられる。これまでに海水馴致ティラピアが塩類細胞からK+を排出することを明らかにした。一方、淡水中では過剰となる水を排出するために、腎臓において多量の尿を産生することから、K+排出における腎臓の貢献も考慮する必要がある。また、淡水に馴致したティラピアの鰓では、Type-IV塩類細胞のみが機能的であると考えられている海水中と異なり、Type-IIおよびType-IIIという異なる2種類の塩類細胞を有することが知られている。そこで淡水馴致ティラピアにおいて鰓によるK+排出の可能性と腎臓の寄与を検討するため、淡水馴致ティラピアを通常淡水と高K+淡水に1週間馴致し、血漿と尿中のイオン濃度、および鰓と腎臓におけるROMKをはじめとした各種イオン輸送体のmRNA発現量を測定した。その結果、高K+馴致群で尿中のK+濃度が有意に増加した。一方、鰓でのROMK発現量が約5倍に増加しており、鰓のROMKが淡水中でもK+の排出に重要であると考えられた。また、鰓の免疫染色の結果、通常淡水群ではROMKのシグナルが僅かであったが、高K+馴致群でROMKの免疫反応が顕著に現れ、さらにROMKがType-III塩類細胞の頂端膜に局在することが明らかとなった。 以上の結果より、海水に馴致したティラピアではType-IV塩類細胞が、淡水に馴致したティラピアはType-III塩類細胞が、それぞれ頂端膜にROMKを発現することで、体内で余剰となったK+を排出することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Molecular characterization and gene expression of Na+-K+-2Cl- cotransporter2 (NKCC2) in the gastrointestinal tract of Olive flounder (Paralichythys olivaceus) during the four days after infection with Streptococcus parauberis2013
Author(s)
Kim, Y. K., Watanabe, S., Park, S. I., Jeong, J. B., Kaneko, T., Park, M. A., and Yeo, I. K.
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Journal Title
Mar. Freshw. Behav. Physiol.
Volume: 46
Pages: 145-157
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Intestinal expression of peptide transporter 1 (PEPT1) at different life stages of Japanese eel, Anguilla japonica2013
Author(s)
Ahn, H., Yamada, Y., Okamura, A., Tsukamoto, K., Kaneko, T., and Watanabe, S.
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Journal Title
Comp. Biochem. Physiol. B
Volume: 166
Pages: 157-164
DOI
Peer Reviewed
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