2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22248028
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 高弘 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20111297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 久 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50241625)
渡邊 康一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80261494)
|
Keywords | ウシ / 健康性 / 免疫機能 / 白血病 / T細胞サブセット / 抗病性 |
Research Abstract |
黒毛和種、ホルスタイン種、日本短角種(9~15ヵ月齢、各12頭、去勢雄)では、顆粒球、T細胞、B細胞、単球の割合の推移に有意な変動は認められなかった。T細胞サブセットの割合はγδT細胞が最も高く、γδT細胞ではWC1^+γδT細胞が優勢を占めた。また、CD25陽性の活性型T細胞はWC1^+γδT細胞で最も高く出現した。CD4^+/CD8^+T細胞比は1.0~2.0であった。日本短角種牛は同月齢の黒毛和種とホルスタイン種に比べ、γδT細胞の割合が高く、CD4^+/CD8^+T細胞比がやや低いことが示された。1~8ヵ月齢の黒毛和種、日本短角種、ホルスタイン種(各6頭、雌)では、顆粒球、T細胞、B細胞、単球の割合は大きな違いがなく、T細胞とB細胞は月齢と共に増加する傾向を示した。CD4^+T細胞とCD4^+/CD8^8T細胞比は黒毛和種、ホルスタイン種、日本短角種の順で高かった。一方、γδT細胞とWC1^+γδT細胞は日本短角種で最も高かったことから、日本短角種では自然免疫能が高く、感染抵抗性が高いものと判断された。黒毛和種新生子牛に関して、雌雄間でT細胞サブセットの出現割合に違いが認められたことから、雌雄間で免疫機能の差異が示唆された。γδT細胞サブセットの機能解明に関して、WC1^+γδT細胞は、IL-2刺激に対してWC1^-γδT細胞より速やかに活性化した。両細胞とも、活性化に伴いCD62Lの発現が低下し、IL-2、IL-4、IL-6、IL-10等9種類のサイトカイン発現が認められた。また、k562細胞をターゲット細胞としたウシT細胞の細胞障害活性法を考案し、WC1^+γδT細胞とWC1^-γδT細胞の細胞障害活性を初めて明らかにした。さらに、末梢血とリンパ組織でT細胞とγδT細胞サブセットの分布と機能が明らかにされた。WC1^+γδT細胞は末梢血と二次リンパ組織で活性化状態であり、WC1^-γδT細胞は末梢血では不活性状態であった。WC1^+γδT細胞は末梢血、リンパ節、脾臓でアポトーシス抑制機能が作用し、WC1^-γδT細胞は二次リンパ組織移行後にアポトーシス抑制機能が誘導された。以上のように、平成22年度の研究計画は当初の予定通・り実施され、満足する成果が得られた。
|
Research Products
(2 results)