2010 Fiscal Year Annual Research Report
OMRIを用いた酸化ストレス疾患モデルにおけるレドックス動態の画像解析研究
Project/Area Number |
22249003
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内海 英雄 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 特任教授 (20101694)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健一 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60346806)
市川 和洋 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 教授 (10271115)
兵藤 文紀 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (10380693)
|
Keywords | 薬学 / 生物物理 / 生体分子 / 可視化 / 血圧 / 交感神経系 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究は画像化手法の開発と最適なプローブ剤の合成・探索を行い酸化ストレス疾患モデルに応用することで、「新たなレドックス分子イメージング手法を確立し酸化ストレス疾患の創薬・治療戦略を提案」することを研究目的としており、平成22年度は以下の研究を実施し成果を得た。 レドックス感受性造影剤の開発に関しては、新たなスピンプローブ剤であるニトロキシルラジカルの合成を行った。合成した化合物をアジュバント関節炎ラットインドメタシン誘発胃潰瘍モデルに適用したところ、胃潰瘍モデルの胃におけるラジカルの可視化に成功し、またニトロキシルラジカルの消失速度が正常動物と比較し有意に亢進することが明らかとなった。さらに、本プローブが胃潰瘍形成を有意に抑制したことから、疾患の発症にフリーラジカル反応が寄与する可能性も見いだした。以上の結果より、本年度合成したニトロキシルラジカルは、OMRI用造影剤として、さらに抗酸化剤として機能する可能性を見いだした。また酸素分圧、pH、レドックス動態の計測に用いる造影剤は、その物理学的原理から複数回のデータ取得に基づく演算により、対象機能の数値化が可能である。そこで、演算・数値化の為のアルゴリズムを考案し、最小取得数及び数値精度の解析を行い、解析手法を確立した。 脳卒中易発症性自然発症高血圧ラットを用いた応用実験においてアンジオテンシン受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬の併用による降圧薬治療を30日間行った。その結果、正常血圧レベルに近い降圧を得られたにもかかわらず反射性交感神経活性化は生じず、生体計測電子スピン共鳴法で測定した脳内酸化ストレスは軽減した。脳内酸化ストレス抑制によって交感神経系の活性化が抑えられたことを示唆する。またマウス胸部を選択的に計測するイメージング手法の開発によりこれまでに撮像困難であった肺組織における画像化に成功し、肺疾患への応用の可能性を見いだした。
|
Research Products
(38 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Brain redox imaging2011
Author(s)
Matsumoto K., Hyodo F., Anzai K., et al.
Total Pages
397-419
Publisher
Humana Press (Methods in Molecular Biology)
-
-