2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを利用した損傷乗り越え型DNAポリメラーゼの機能解析
Project/Area Number |
22249005
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
花岡 文雄 学習院大学, 理学部, 教授 (50012670)
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Keywords | DNA損傷トレランス / 損傷乗り越え複製 / TLSポリメラーゼ / DNAポリメラーゼ・イータ / REV1 / 紫外線感受性 |
Research Abstract |
研究代表者は、DNA損傷トレランスにおける複数の損傷乗り越え型DNAポリメラーゼ(TLSポリメラーゼ)の機能を明らかにするために、TLSポリメラーゼ遺伝子の改変マウスを利用し、以下の研究を進めた。 (1)PolηおよびPolιの不活性型とRev1相互作用部位変異体の安定発現細胞の樹立と表現型の解析:既に樹立済の不活性型変異またはRev1相互作用不全変異を持つPolηを安定に発現するPolη、Polι単独欠損およびPolη/Polι二重欠損MEFのUV感受性について、コロニー形成率とミトコンドリア活性を指標にした生存率で調べた。Polη単独およびPolη/Polι二重欠損MEFのUV感受性は、野生型およびRev1相互作用部位変異体Polηの発現により回復した。一方、不活性型Po-ηの発現は、Polη単独およびPolη/Polι二重欠損MEFのUV感受性を部分的に回復した。ここで用いたRev1相互作用部位変異体Polηが実際にRev1との相互作用を欠損しているかどうかを調べるために、酵母2ハイブリド法を用いて確認し、確かに相互作用が出来なくなっていることを見出した。 (2)Yファミリーポリメラーゼに関して様々な遺伝子型を持つMEFと細胞内TLSアッセイ法を用いた損傷乗り越え複製機構の解析:既に樹立済のPolη、Polι単独欠損およびPolη/Polι二重欠損MEFや京都大学の大森治夫博士より供与されているPolκ欠損MEF、Polη/Polι/Polκ三重欠損MEF、それらに各ポリメラーゼを相補した細胞株等、細胞レベルのバックグラウンドが揃っていて、Yファミリーポリメラーゼに関して様々な遺伝子型を持つMEFを準備した。これらの細胞を用い、in vivoでの突然変異率および変異スペクトルを求める方法を探索した。
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