2010 Fiscal Year Annual Research Report
寄生虫感染防御におけるナチュラルヘルパー細胞の機能解明
Project/Area Number |
22249013
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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Keywords | サイトカイン / リンパ球 / 自然免疫 / アレルギー / 感染免疫 |
Research Abstract |
本研究課題は平成22年4月からスタートさせたが、基盤研究(S)「新たに発見した"ナチュラルヘルパー細胞"の機能解明」(H22-H26)が採択されたことにより、重複制限規定に伴い平成22年5月末に終了することになった。 我々がナチュラルヘルパー(NH)細胞を報告した論文がオンラインで刊行されたのは昨年の12月であるが、本年3月に類似のTh-2サイトカイン産生細胞を報告した論文が2報刊行された。MMP^<type2>とNuocyteと名付けて報告されたこれらの細胞とNH細胞の異同に関して検討し、以下の結果を得た。MMP^<type2>とNuocyteはマウスにIL-25を投与することによって誘導されるが、NH細胞はIL-25単独では反応しない。MMP^<type2>は肥満細胞、好塩基球、マクロファージなどの血球系の細胞への分化能を有する点から、NH細胞とは明らかに異なると結論された。一方、Nuocyteとの比較からは以下の結果が得られた。NH細胞に高発現するCD25をNuocyteは発現しない。NuocyteはMHCクラスIIを発現するが,NH細胞は発現しない。NuocyteはIL-25単独に反応するがNH細胞はIL-25単独では反応しない。NH細胞が活性化されてNuocyteとして報告された細胞になる可能性は現時点で否定できないが、これらの細胞はお互いに類似はするが異なる細胞と考えられた。今後、これらの細胞が生体内でどのような役割分担を持つのか、などが注目しつつ解析を進めてゆく予定である。
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Research Products
(2 results)