2011 Fiscal Year Annual Research Report
医療・保健・介護資源の地域システムにおける連携・効果・効率・公正の評価と要因分析
Project/Area Number |
22249015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 昌博 島根大学, 医学部, 准教授 (30359806)
長瀬 啓介 金沢大学, 大学病院, 教授 (10302415)
林田 賢史 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (80363050)
猪飼 宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70522209)
村上 玄樹 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50549756)
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Keywords | 医療経済学 / 医療システム評価学 / 医療・福祉 / 情報システム / 社会医学 / 医療の質・安全 / 医療の効率 / 医療の公平性 |
Research Abstract |
医療の質・安全、効果、効率性を確保・向上し、資源を確保して国民の医療アクセス上の公正性を実現していくこと、そして、病院など個々の医療提供者の質と効率性のみならず、『地域の医療システムを評価し向上する仕組み』が求められるようになっている。財源難、資源不足、要求度の上昇の中、なおさら強く求められる。そこで、本研究では、全国約300の地域中核的病院から、ならびに都府県レベルの自治体・保険者等の協力のもとデータベースを構築した。データを時間断面的・縦断的・地理的に収集してそれらのデータベース化と分析体制構築を厳格な情報セキュリティ管理のもと進めてきた。多施設ならびに地域の医療ケアの質・資源・費用・原価・アクセスの評価研究を行い、施設と地域の医療ケアの提供システムを評価するしくみの開発・研究を進めた。 研究成果の例として、喘息患者治療の診療指針の遵守状態と関連要因、肺塞栓・深部静脈血栓症の発症と予防策の評価、手術室運用の効率性、集中治療のアウトカムや診療パターンの違いの要因など、特にハイリスク領域で明らかにし、診療のプロセスの指標を開発した。アウトカムに係わるリスク調整法については、循環器疾患や脳神経疾患を中心に開発を進めてきた。データ連携が必要な再入院の評価方法も開発した。政策の診療の質や費用への影響についても評価した。また、地域レベルでの保健医療介護の資源と診療・ケアの実績の包括的な把握、地域の医療等システムにおける資源配分の公正性や提供体制自体の評価に関しては、アクセス時間やアクセス公正性の評価法、コメディカル活動の指標化、医療介護資源や質の地域格差、需給バランス評価、費用と質との関係の評価など行った。以上の如く、具体的な独創的学術的研究成果を上げるとともに、医療・ケアの運営ならびに制度・政策の今後の展開に示唆を提供することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
医療の質の評価で重要なアウトカム指標のリスク調整の手法の研究開発、医療の質と費用との関係の解析、時間アクセスの評価、サービス間データ連携が、計画以上に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床現場での専門家、介護や保健領域の行政、国内外の有能な研究者、などとのインタラクションの加速を通じ、さらには研究チームの能力向上に注力し、現場に妥当で学術的にも重要な課題の研究遂行を強化する。
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Research Products
(27 results)