2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生誘導siRNAによる虚血性疾患の治療法開発
Project/Area Number |
22249016
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
芝崎 太 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (90300954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 暁宏 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20332372)
内野 博之 東京医科大学, 医学部, 教授 (60266476)
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Keywords | 遺伝子診断・治療 / siRNA創薬 / 虚血性疾患 / 血管新生 |
Research Abstract |
低酸素ストレス応答に関する遺伝子として転写因子HIF(Hypoxia-inducible factor)は、腫瘍の血管新生に必須なVEGF(血管内皮細胞増殖因子)の誘導や、ミトコンドリアのエネルギー代謝に関わる多くの解糖系酵素の転写制御を行っていることが報告されている。私達はHIF2αの結合因子として同定したInt6の詳細な解析により、HIF2αを介した血管新生を調節する「マスタースイッチ」の一つであることが示唆された。しかしながら、Int6もともと翻訳調節因子の一つeIF3eであり、各組織での役割やInt6の発現機序など不明な点が多く残されている。従って、本研究では主としてin vivoでのInt6の機序、またはInt6の新たな結合因子との詳細機序の解析するために、(1)Int6欠損した遺伝子マウスの作製を行い詳細な研究を行うこと、および(2)siRNAを用いた創薬研究への応用を目指すことを目的としている。H22年度はの研究内容としては以下の通りである。 1. KOマウスの作製を目指し、ベクターの構築が終了し、ES細胞の選別を進め、数個の陽性クローンを得た。さらに新たな陽性クローンを得るために、ES細胞のクローニングを進めている。 2. Int6-siRNAを用いた研究にて、ミニブタを用いて心筋梗塞モデルの左冠状動脈結紮部位の近傍に数カ所Int6-siRNAを直接打ち込み2週間後にエコー、冠動脈撮影等にて観察した結果、有意な血管新生が認められたが、心機能自体は改善せず、再度同様の手技にて行う予定である。また、siRNAの最適化を行うため、新たな部位を探索し、数個の新規siRNAが得られた。 3. siRNA導入細胞を用いた血管新生の細胞療法を目指し、様々な細胞にてHIF2aや血管新生因子の誘導能を検定した結果、DEFAT細胞が最適なキャリヤーになる事が見いだされた。このため、新規siRNAとの組み合わせによるマウスでの血管新生誘導を来年度以降行う予定である。
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