2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22249034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北本 哲之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)
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Keywords | プリオン / 蛋白 / 異常化 / 分子機構 / CJD |
Research Abstract |
この研究は、プリオン病感受性動物であるBank voleのPrP遺伝子を導入したトランスジェニックマウスモデルを作成中に、過剰発現のモデルにおいて10倍発現量では250日前後で、4倍発現量では500日前後で自然に神経症状を示し、組織学的に典型的なspongiform changes,gliosis,abnormal PrP沈着を呈するマウスを見出したことに端を発する。 今年度は、ノックインマウスであるKi-Bankvoleの樹立に成功し、感染実験を始めた。このノックインマウスの発現量は、マウスPrPの発現量と全く同じで、8個のアミノ酸だけがことなるBank vole PrPである。このKi-Bank voleの感染実験は、今年度から開始したのみであるが、非常に感受性が高いため短い潜伏期間で結果が出つつあり、非常によい動物モデルの樹立に成功しそうである。感染実験の中でも、驚いたのがヒトプリオンに対する感受性の高さである。Ki-Bank voleにマウスプリオンであるF1株を接種したところ、310日程度の潜伏期間が必要であったが、ヒトのMM1を接種したところ280日前後で発病が認められた。これは、げっ歯類PrPのモデルマウスでは信じられない感受性である。ちなみに、野生型マウスではヒトプリオンのMM1の潜伏期間は、600日以上必要であり、感染効率は20%に満たないという感受性の低さなのである。さらに、Bank voleのPrP分子を解析するため、N末端とC末端のみBank voleに変更したトランスジェニックマウスを作製を開始している
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Ki-BvPrP(バンクボールプリオン蛋白を導入したノックインマウス)を利用した感染実験である。これはいまだ経過観察中であり、結論を得るのは早い段階である。しかし、Ki-BvPrPは他のプリオンでの感染感受性が非常に高いことが明らかになりつつある。特に、ヒトのCJDのMM1プリオンに関して高い感受性をもっているという驚くべき結果がでつつある。自発的異常化の評価のために作製したKi-BvPrPであるが、非常に高いプリオン感受性モデルという予期せぬ方向へも研究が進展をみせている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は、順調に進んでおり、計画通りに進めてゆく予定である。さらに、予想外のあたらしい研究の進展もあり、計画以上の成果が期待できると考えている。
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