2011 Fiscal Year Annual Research Report
新たな治療戦略確立のためのヒト慢性骨髄性疾患腫瘍幹細胞の同定
Project/Area Number |
22249039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤司 浩一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80380385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敏浩 九州大学, 大学病院, 講師 (70343324)
竹中 克斗 九州大学, 大学病院, 助教 (30301295)
岩崎 浩己 九州大学, 大学病院, 講師 (20403925)
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Keywords | 骨髄増殖性腫瘍 / 造血幹細胞 / 異種移植 / マクロファージ寛容 / SIRPA / CD47 |
Research Abstract |
(1)NOD型SIRPA変異を導入した免疫不全マウスによる異種移植 平成22年度に樹立したB6.Rag2nullIL2RγnullSIRPANOD/NOD(BRGS)マウスは当初の予定通り順調に繁殖している。BRGSマウスをもちいた異種移植におけるヒト造血細胞の生着効率は、NOGマウスと同等以上の結果が得られた。慢性骨髄性腫瘍幹細胞の生体内機能解析に強力なツールを得たことにより、平成23年度研究として計画していた慢性骨髄性白血病(CML)および骨髄異形成症候群(MDS)を中心に異種移植を開始した。 (2)CML幹細胞の遺伝子発現プロファイリングによる治療標的分子探索 CML幹細胞が濃縮されるCD34陽性CD38陰性分画を純化して、網羅的遺伝子発現プロファイリングを行った。ヒト正常造血幹細胞を対照として比較解析したところ、CML幹細胞特異的に高発現する分子の抽出に成功した。このうちいくつかの分子はイマチニブ投与後にも高発現が維持されており、CML幹細胞の治療抵抗性に関与する可能性が示唆された。現在、アディポカインとして有名なレプチンの受容体の高発現に注目して機能解析を進めている。CML幹細胞の生存や自己複製に対するレプチンシグナルの役割を明らかにすべく、まず培養系での検証を行っている。 (3)MDS病期進行に伴う幹細胞特性の変化 我々は急性骨髄性白血病幹細胞特異的に高発現する細胞表面分子TIM-3を同定し、抗TIM-3抗体による分子標的治療の開発を進めてきた。TIM-3は正常造血幹細胞および病初期のMDS幹細胞には発現しないが、病期進行に伴って幹細胞分画における発現が高まることを見出した。抗TIM-3抗体投与によって、正常造血をスペアしつつMDSクローンを排除できる可能性を示す知見と考えている。上記(1)の異種移植系をもちいた検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた新規免疫不全マウスラインの樹立とそれをもちいた異種移植系の確立、CML幹細胞およびMDS幹細胞の純化と細胞特性の解析、治療標的候補分子の探索など順調に進捗していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性骨髄性腫瘍の異種移植生着効率は、BRGSマウスを宿主としてもちいても必ずしも高くない。今後は、ヒトの造血環境をより模倣したマウスモデルが必要と考えられる。まず、骨髄系細胞増殖に重要なサイトカインであるヒトIL-3をノックインしたマウスラインの樹立を進めており、平成24年度中には使用可能となる予定である。異種移植生着効率の劇的な改善により、腫瘍性幹細胞の機能解析が更に進むと期待される。.
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Research Products
(12 results)