2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病の早期・予防診断法構築のための膵β細胞標的核医学分子イメージング法の開発
Project/Area Number |
22249046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天満 敬 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90378787)
木村 寛之 環境安全保健機構, 放射性同位元素総合センター, 助教 (50437240)
上田 真史 京都大学, 医学研究科, 助教 (40381967)
豊田 健太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (00447971)
河嶋 秀和 国立循環器病センター, 画像診断医学部, 室長 (70359438)
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Keywords | 分子イメージング / 膵島β細胞 / 糖尿病 / 早期診断 |
Research Abstract |
本研究の目的は、糖尿病の超早期・予防診断を目指して、『機能性ユニット結合型分子プローブ』という新しい分子設計概念に基づき、膵島β細胞に特異的・選択的に集積するPET/SPECT用分子イメージングプローブを設計・創生し、それを用いて膵島β細胞数を体外から非侵襲的に定量イメージングする方法を構築することである。これを達成するため、膵島β細胞に特異的に発現している4種類のタンパク質(GLP-1受容体、GPR40受容体、GLUT-2、ACE)を標的としたプローブ開発を計画した。まずGLP-1受容体、GLUT-2を標的としたプローブ開発を行った。GLUT-2に対しては、糖骨格を母体とした放射性フッ素標識プローブを設計・合成した。これまでに、非標識体と標識前駆体の合成に成功した。今後は、in vitro,in vivoの評価を進め、プローブの最適化を実施する。GLP-1受容体に対しては、親和性を有するペプチドを母体として、放射性フッ素および放射性ヨウ素標識プローブを設計・合成し、単離膵島を用いてGLP-1受容体に対する親和性評価を行ったところ、両プローブともnMオーダーの高親和性を示した。体内分布実験では膵臓に30%ID/g以上の集積を認め、膵島β細胞選択的に集積するプローブとして有望であると考えられた。さらに、SPECTを用いてイメージングを実施したところ、膵臓の明瞭な画像化に成功した。最終年度は、これらのプローブの中で開発の優先順位を決め、特に有望な候補化合物に対して最適化を図り、それを用いて膵島β細胞数を体外から非侵襲的に定量イメージングする方法を構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ACEを標的としたプローブ開発は合成に難航しているが、それ以外の標的に対しては全体的にプローブ開発が進んでいる。開発した候補化合物の中には、膵臓のイメージングが可能なレベルに達している化合物もあり、今後の詳細な検討に期待が持てる。
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Strategy for Future Research Activity |
プローブの中で開発の優先順位を決め、特に有望な候補化合物に対して最適化を図り、それを用いて膵島β細胞数を体外から非侵襲的に定量イメージングする方法を構築する。また、糖尿病モデルマウスなどを用い、本プローブの有効性を示す。ACEを標的としたプローブに関しては、合成に難航していることもあるので、開発の見直しを検討する。
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