2010 Fiscal Year Annual Research Report
連続流ポンプを用いた体内埋込式完全人工心臓の総合的基礎研究
Project/Area Number |
22249053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 裕輔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90193010)
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Keywords | 連続流ポンプ / 完全人工心臓 / 補助人工心臓 / 波動型完全人工心臓 / 螺旋流ポンプ |
Research Abstract |
完全人工心臓は、心臓を置換するタイプの人工心臓であり、究極の心臓代替デバイスとして大きな期待がよせられている。小型高性能な体内埋込式完全人工心臓を開発するためには、デバイス、病態生理および制御系に関する基礎研究が必要である。また、生体適合性の向上も重要な課題であり、特に抗血栓性に関しては、抗凝固療法を必要としない要素技術の開発が必須である。今年度は、新たに設計製作した左心用高性能モーターを、当研究室で研究開発中の波動型完全人工心臓に内蔵して、3頭のヤギに埋め込んで動物実験を行った結果、1頭のヤギで46日の生存が得られた。新しい波動型完全人工心臓を用いると運動負荷実験による病態生理の研究が可能であることは分かったが、右心の性能がやや不足していることが明らかになった。小型高性能な体内埋込式完全人工心臓用の新しい連続流ポンプとして、流体軸受けによりローターを非接触で駆動する螺旋流ポンプを開発した。現在までに、左心の螺旋流ポンプの原型は完成し、これを左心補助人工心臓のかたちでヤギに埋め込んで、抗凝固療法無しで2ヶ月以上の生存を得ている(現在生存中)。制御系の開発に必要な体内埋込血圧センサーを、ワンチップ絶対圧センサーを用いて開発した。開発した体内埋込血圧センサーを体内で校正するための自動校正法の研究を行った結果、流入圧波形を用いて自動校正するアルゴリズムがうまく作動することを確認した。生体適合性の向上を実現するために、ハイブリッドパーツの開発を行った。現在までに、人工素材を型に入れて数ヶ月ヤギの皮下に埋め込むことにより、生体組織とのハイブリッド化に成功した。また、ハイブリッドパーツを脱細胞処理し、凍結乾燥したのち、滅菌して使用する方法を研究開発中である。
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Research Products
(22 results)