2012 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症病態に合併する蛋白異化病態の分子生化学的解明と遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
22249059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 直之 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50332466)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 敗血症 / オートファジー / siRNA / FADD / TAK-1 / ILAK1 / LC3 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
敗血症は,救命率の低い致死的病態であり,新規創薬が期待とされる病態である。本研究は,敗血症病態におけるオートファジーの有無を様々な臓器で評価し,炎症がオートファジーを加速し,細胞機能傷害を誘導する可能性を検討することを目標とした。 研究には,マウスに盲腸結紮穿孔(CLP)を施して敗血症を誘導した病態モデル,さらにヒト血管内皮細胞にリポポリサッカライド(LPS)などの炎症性刺激を施した培養細胞系を用いた。CLPマウスモデルによる電子顕微鏡像の観察では,CLP作成24時間までの間に脳血管内皮細胞,肺胞2型上皮細胞,肺毛細血管,右心房筋,大動脈血管内皮細胞,腎近位尿細管円柱上皮細胞,副腎,膵ランゲルハンス島などに,オートファジーが観察された。また,LPSや炎症性サイトカインによるヒト肺動脈血管内皮細胞(HPAEC)やヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の電子顕微鏡像は,3時間レベルの早期段階からオートファゴソーム形成が促進することが確認された。 特に血管内皮細胞のオートファジーに対する炎症性リガンドの作用については,HPAECとHUVECにおいて,LC3は15分レベルから転写を亢進させ,1時間では約9倍にmRNA発現が亢進し,蛋白発現レベルも同様に亢進し,LC3-II活性も同様に高まることが確認された。この細胞内情報伝達系の活性化背景として,IRAK1, Beclin1,ATG7, FADD, TAK1, c-Junの転写や蛋白発現が約3~10倍レベルに高まることが,細胞内情報伝達蛋白の網羅解析により確認された。 以上を踏まえて,FADDおよびTAK-1に対して作成したsiRNAが,マウスCLPモデルの肺および血管内皮細胞のLC3活性を抑制することを確認した。敗血症病態では,その初期段階より,血管内皮細胞を含めたさまざまな主要臓器基幹細胞でオートファジーが進行することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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