2011 Fiscal Year Annual Research Report
発生メカニズムに立脚した生物学的歯根再生技術の開発
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22249064
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
園山 亘 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (40325121)
辻 孝 東京理科大学, 大学院・基礎工学科生物工学専攻, 教授 (50339131)
浅原 弘嗣 成育医療研究センター, 研究所・システム発生・再生医学研究部, 部長 (70294460)
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Keywords | 再生歯 |
Research Abstract |
今年度は器官培養の条件検討およびsiRNAの遺伝子導入法の検討を行ってきた.まず初めに,『Retro orbital injection法を用いた胎仔への遺伝子導入』を試みた.つまり,妊娠9日目のマウス眼窩下部より10μgのGAPDHsiRNAをトランスフェクション試薬を用いて導入し,導入二日後に胎仔の第一鰓弓よりRNAを回収し,real time RT-PCRにて解析を行なった.しかし,GAPDH遺伝子の発現に差が認められなかった. そこで次に,『In Utero electroporation法を用いた胎仔への遺伝子導入』を試みた.つまり,妊娠12日目のマウスを開腹し,子宮壁を通して胎仔を確認後,Fast Greenで着色したGreen fluorescent Protein (GFP)ベクター溶液をインジェクション針を用いて第一鰓弓近傍へ注入し,ピンセット型の電極で胎仔の下顔面部をはさみ,電気パルスを与え遺伝子導入を行なった.導入二日後に,胎仔を回収し,蛍光顕微鏡にて観察を行ったところ,GFP陽性像が観察された. 来年度はこのシステムを用い,これまでに同定してきた因子の歯胚発生における機能解析を実施していく予定である. また,我々がこれまでに同定した28個の歯胚発生関連未報告遺伝子に加え,組織の前後軸および体節制を決定するHox遺伝子に注目し,歯胚発生段階におけるこれらの遺伝子発現をin situ hybridizationにて確認した.その結果,発生段階の歯胚に強く発現するHox遺伝子を幾つか同定することに成功した.来年度は,平成22年度に行なったヒト歯原性上皮細胞と歯原性間葉細胞のcDNAマイクロアレー解析と照らしあわせ,重要な因子の同定を行なっていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯胚または胎生期の顎骨への遺伝子導入およびオーガンカルチャーの系を確立するのに時間を要した.しかし,すでにその手技を確立しており,来年度に挽回することのできる遅れだと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,今年度確立した器官培養系および遺伝子導入システムを用い,これまでに同定した28個の歯胚発生関連未報告遺伝子の歯胚発生における機能解析を行なっていく.また,siRNAを用いた遺伝子ノックダウン実験において歯胚発生に影響を与えた遺伝子に関して,ノックアウトマウスの作製を開始する.
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