2012 Fiscal Year Annual Research Report
発生メカニズムに立脚した生物学的歯根再生技術の開発
Project/Area Number |
22249064
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20112063)
園山 亘 岡山大学, 大学病院, 講師 (40325121)
辻 孝 東京理科大学, 総合研究機構, 教授 (50339131)
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 再生歯 |
Research Abstract |
これまでに同定した28転写因子に加え, 組織の前後軸および体節制を決定するHox遺伝子が発生段階の歯胚に強く発現することを確認してきた. 現在,in uteroにて同定したHox遺伝子およびこれまでに同定した28転写因子のsiRNAをマウス胎仔に遺伝子導入し,歯胚発生に与える影響マイクロCTおよび組織学的に検討している. また,今年度はヒト細胞および組織を用いた実験の前段階として,大型動物であるビーグル犬を用いて実験を行なった.初めに胎生55日齢の胎仔より乳歯永久歯歯胚を摘出し,母親の顎骨内に免疫抑制剤投与下で移植した.しかし,歯胚の発生は認められなかった.そこで次に,免疫拒絶反応の影響を排除するため,30日齢の胎仔の永久歯歯胚を摘出し,同胎仔に自家移植を行なった.その結果,歯の発生を認めた.次に,30日齢の胎仔の永久歯歯胚から上皮細胞,間葉細胞をそれぞれ単離し,それらの細胞を用い器官原基法にて再構築された歯胚が発生しうるかを免疫不全マウスの腎皮に移植し検討した.その結果,上皮細胞x間葉細胞の組み合わせでの歯胚発生の確率は著しく低かった.しかし,一方を組織にすると歯胚発生率は上昇した.さらに,上皮組織x間葉細胞の組み合わせで作製した再構成歯胚を顎骨内へ自家移植した.その結果,歯牙の発生を認め,移植150日程度で顎骨および歯肉から放出する程度まで成長した.来年度は,上皮細胞x間葉細胞の組み合わせにて,なぜ歯胚発生が起きないのか詳細に検討する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,これまでに同定した転写因子に加え,Hox遺伝子が歯胚発生時に発現することを明らかにしてきた.また,in uteroにて同定した転写因子のsiRNAの遺伝子導入を試みたが,中々うまくいかず,遺伝子導入の方法を現在検討中である.また,ex vivoでの実験を同時並行でに行なっている. ヒト細胞および組織を用いた実験の前段階として,大型動物であるビーグル犬を用いて実験を行ない,大変よい結果が得られたため,順調に実験が遂行していると考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
in uteroでの遺伝子導入を眼球周囲の静脈叢から行なってきたが,中々うまくいかないため,次年度は尾静脈からの投与を試みる.また,組織培養法にて歯胚を培養し,同定した遺伝子のsiRNAを遺伝子導入し,形態形成に与える影響を検討する.さらに,イヌの歯胚自家移植実験において,上皮細胞x間葉細胞の組み合わせにてなぜ歯胚発生が起きないのか詳細に検討する予定である.
|