2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22253002
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Section | 海外学術 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉井 譲 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00158388)
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Project Period (FY) |
2010-05-31 – 2013-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 赤外線 / パッシェンα / アタカマ |
Research Abstract |
本研究は水素輝線Paα(1.87μm)およびPaβ(1.28μm)を用いて、我々の天の川銀河および系外銀河の星形成領域の観測を行い、宇宙におけるガス循環の詳細を明らかにすることで銀河の起源と進化に迫るものである。本年度は5月及び10月に2度にわたって2ヶ月の観測ランを行った。前年度3月に発生したチリ・アタカマでの大雨と嵐に伴い、山頂で大規模な落雷が発生してその修理に時間を要したために、観測時間は当初予定していた半分以下にとどまった。しかし、新たに水素Paα輝線画像を取得した近傍のスターバースト銀河についてPaβ輝線画像の取得に成功した。 また、過去3年間にわたって取得されたデータ解析を進め、細かい大気の吸収線が大量にあるため取り扱いが難しい、地上からのPaα狭帯域画像を正確にキャリブレーションする手法を確立した。更にこれを用いて解析したPaαデータにより、銀河スケールでのガス-星循環へ迫る様々な知見が得られた。例えば、ガスと星形成の関係を表すKennicutt-Schmidt(KS)則は星形成領域の年齢に依存している可能性が高いことを初めて示し、KS則で知られていた分散の起源の有力な候補であるとの結論を得た。また、銀河のバルジの星分布と星形成領域の分布から、バルジ中心でもガス流入による活発な星形成が継続して起きていることを明らかにし、現在まだよく分かっていないバルジ形成への重要な示唆を得た。 これら成果は、現時点で3本の投稿論文にまとめられて出版されており、他にも1本が投稿中、複数の論文が投稿準備中である。また国際研究会などで発表(2012年度内に6本)されている。 以上のように、本研究により、特にPaα輝線を用いて銀河スケールでのガス-星変換に関する様々な問題にアプローチし、その諸端を明らかにすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Development of a new calibration method for ground-based Paschen-alpha imaging data2012
Author(s)
Tateuchi, K., K. Motohara, M. Konishi, H. Takahashi, N. Kato, R. Ohsawa, K. Yutaro, Y. Yoshii, M. Doi, T. Handa, K. Kohno, K. Kawara, M. Tanaka, T. Miyata, T. Minezaki, S. Sako, T. Tanabe, T. Morokuma, Y. Tamura, T. Aoki, T. Soyano, K. Tarusawa, S. Koshida, T. Kamizuka, T. Nakamura, K. Asano, and M. Uchiyama
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Journal Title
Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers (SPIE) Conference Series
Volume: Volume 8446
DOI
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