2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ・アジアの水環境汚染実態と汚染メカニズムの比較解析
Project/Area Number |
22254001
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高田 秀重 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70187970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多羅尾 光徳 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60282802)
渡邊 泉 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30302912)
オンウェナ アジマンスィアウ 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (10293549)
鈴木 聡 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90196816)
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (60318194)
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Keywords | 屎尿汚染 / 重金属汚染 / 抗生物質 / 人為起源マーカー / 抗生物質耐性菌 / 地下水 / 海洋プラスチック / e-waste |
Research Abstract |
22年度はガーナ、インドネシア、フィリピンで調査を行った。 まず、屎尿汚染の化学・微生物マーカーの開発を行った。化学マーカーとしてはステロール、医薬品、抗生物質を組み合わせた手法を開発した。脂肪酸メチルエステルについても測定法の検討を行った。ふん便性大腸菌の排出源を特定する手法は,排出源の特定が70%程度まで可能となる段階まで達した。ガーナ共和国で試料採取を行い,環境試水・家畜ふん便から大腸菌を約1000株採取した。ガーナの河川の屎尿・生活排水汚染は熱帯アジア以上に深刻なレベルであることを明らかにした。都市部ではヒト糞便が主な起源で、下水処理の未普及が大きな原因であるが、郊外では家畜排水の寄与も検知された。生活排水汚染は地下水に及んでいる場所もあったが、地下水の汚染のレベルはジャカルタ、マニラ、東京よりも軽微であった。水源のVolta湖では屎尿汚染は認められなかった。堆積物、海岸漂着プラスチックの分析から、PCBs汚染が明らかになり、ガーナではPCB製品の使用履歴は考えられず、E-wasteの寄与がうかがわれた。また、石油汚染も熱帯アジアと同程度に進行していることが明らかになった。 抗生物質耐性遺伝子の選択と伝播に及ぼす金属等の影響を明らかにする目的で,複合汚染が疑われるガーナのE-wasteおよびラグーンの表層水中から薬剤耐性遺伝子の検出定量を実施し、tet(M)が検出された。 ガーナのレゴン、クマシ、USTおよび市場で採取された野菜を、またブルリ潰瘍の多発地帯および対象地域のヒト毛髪を供試した。既報に従い、重金属・微量元素濃度を測定した。野菜からは顕著な高濃度の微量元素は検出されなかった。一方で、ブルリ潰瘍の多発地帯であるクマシから得られた毛髪からは極めて高濃度の重金属類および高レベルの有害金属類を含む微量元素が検出された。このことはブルリ潰瘍と金属曝露の関係を示唆している。
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Research Products
(2 results)